テレワークとリモートワークの違いとは?導入の効果やメリットも解説
出勤せずに働く「テレワーク」や「リモートワーク」を実践する人や、身近な会話でも言葉として使う人が増えましたが、2つの言葉の使い分けがわからないという声も多いようです。言葉の成り立ちや厳密な意味の違い、関連するワードについて解説し、テレワーク・リモートワークを導入する際の課題と解決方法について紹介します。
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目次
テレワークとリモートワークの意味に違いは無い
テレワークとリモートワークは、共通して「時間や場所に捉われずオフィス以外で働く」という意味です。それぞれどのように生まれた言葉なのか、語源や経緯を解説します。
「テレワーク」はアメリカ発祥、明確に定義付けされている
テレワーク(telework)は、ギリシャ語の「tele(遠い)」と英語の「work(仕事)」が合わさった言葉で、遠隔での仕事を表します。1973年に、南カリフォルニア大学の研究員だったJack Nilles氏が提唱し、通信技術を用いることで遠隔地での仕事を可能にするという考えが生まれました。
当時アメリカで問題視されていた、エネルギー危機や車の排出ガスによる大気汚染の解決策としてテレワークの導入が進んだようです。日本では、NECが1984年にサテライトオフィスを吉祥寺に作り、国内初のテレワークとして話題になりました。その後、総務省により、テレワークはICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方と明確に定義しています。
「リモートワーク」は明確な定義なし
一方、リモートワーク(remotework)は、「remote(遠隔の、遠い)」と「work(仕事)」が合わさった言葉で、テレワークのように明確な定義はありません。日本ではテレワークと同様の意味として使われますが、アメリカではニュアンスに違いがあります。テレワークは主にオフィスで働き、リモートワークは主にオフィス外で働く、もしくは完全にオフィス外で働くことを指し、2つの言葉でオフィスとオフィス外の比率が異なります。
オンラインとリモートの違い
他にも、リモートワークやテレワークと混同しやすいワードに、「オンライン」があります。特に、「オンライン会議」と「リモート会議」、「オンライン授業」と「リモート授業」など、類似した内容を別の言葉で表すことがあります。
両者にほとんど違いはありませんが、オンライン会議であればオンライン回線を使っているという意味合いが強くなります。
一方、リモート会議は必ずしもオンライン回線を使う必要はないため、電話会議やテレビ会議も定義に含まれるでしょう。
テレワークで働く場は主に3つ
テレワークは、一般社団法人日本テレワーク協会により具体的な働き方が定められ、雇用型は在宅勤務、モバイルワーク、サテライト勤務の3種類です。東京都産業労働局による「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)によると、テレワークの導入や検討中の企業の約8割が在宅勤務の形態を選択しています。
ここでは、それぞれの働き方について、特徴やどんな仕事に適しているかを説明します。
1. 在宅勤務(自宅利用型テレワーク)
在宅勤務は自宅利用型テレワークとも呼ばれる、従業員が自宅で働く就労形態です。自宅を長時間不在にすることなく仕事ができるため、育児や介護に携わる人は在宅勤務を選ぶ傾向があります。また、災害や交通機関の影響を受けにくく、非常時のリスク回避にもなります。
仕事とプライベートのオンオフを切り替えづらい側面があり、従業員自身の自己管理が必要です。
2. モバイルワーク
オフィス以外の自由な場所で、スマートフォンやタブレット、ノートPCなどを用い仕事をする就労形態です。営業職など仕事中の移動が多い職種に適し、移動中の新幹線やカフェ、出張先のホテルで過ごす時間を有効活用できます。毎回オフィスに戻る必要が無くなるため、交通費削減にも有効です。東京都産業労働局の同調査によると、テレワークを認める部門は営業部門が全体の3割を占め、最多となっています。
3. サテライト勤務(施設利用型テレワーク)
サテライト勤務は施設利用型テレワークとも呼び、企業や団体が本社とは別に拠点を置くサテライトオフィスや、複数企業や個人が共同スペースで仕事をするコワーキングスペースなどの場所で働く就労形態です。自宅やカフェなどと異なり、仕事場を前提とした設備が整っているため利便性が高く、集中しやすいというメリットがあります。情報セキュリティの観点から、開発部門やコールセンターなど機密情報を取り扱う仕事は特に適しています。
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リモートワークに含まれる働き方
リモートワークから派生・発展した働き方も増えています。いずれもリモートワークの要素を含んでいますが、より限定した意味を持ちます。
ハイブリッドワーク
ハイブリットワークは、オフィスへの出社とリモートワークを組み合わせた働き方のことです。ハイブリットワークは企業によって取り決めが異なりますが、ウィズコロナ・アフターコロナに対応するため、現在多くの企業がハイブリットワークを制度として取り入れています。
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フルリモート
フルリモートは、その名の通り原則オフィスへの出社はせず、リモートワークだけで働く方法を指します。
求人サイトでは、「フルリモート可」などと表記された求人も増えてきました。特に、エンジニアやデザイナーなど、リモートワークと相性が良い職種で多く見られます。
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テンポラリー・リモートワーク
テンポラリー・リモートワークはオフィスへの出社とリモートワークを織り交ぜた働き方である点でハイブリッドワークと似ていますが、こちらはオフィスへの出社が基本で、必要な際にリモートワークに切り替える働き方です。
家庭の事情や体調などによりリモートワークがしたい場合に自宅で仕事ができるため、多様な働き方が実現できます。
テレワークとリモートワークを使い分ける方法
テレワークとリモートワークはほぼ同じ意味ですが、ビジネスでは相手やシチュエーションに合わせて使い分けると、コミュニケーションがスムーズになります。
ビジネスでは相手の企業特性や職種に合わせて選択
テレワークは働き方改革の一環であり、助成金などもテレワークという表現を採用した名称になっているため、政府や省庁などの公的機関や大企業はテレワークを主に使う傾向があります。一方、メディアなどで使用頻度が高いのはリモートワークであり、テレワークよりも身近に感じる人が多いでしょう。IT企業やフリーランスで働く人は、リモートワークを用いる傾向があります。
カジュアルな場ではリモートワークを使うと便利
日常会話では、意味が広範囲であるリモートワークの方が多く利用されています。リモート会議やリモート飲み会といったように、さまざまなリモート〇〇という造語が一般化されており、格式ばらない場やフラットな会話ではリモートワークが通じやすいでしょう。
テレワーク(リモートワーク)導入における課題と解決策
オフィス勤務からテレワークにシフトすることで、従業員は集中して仕事ができたり、ワークライフバランスを保てるようになるなどメリットが多くあります。一方で、自己責任で仕事を進めたり、上司や同僚と非対面で仕事をすることで新たな課題も生じます。ここでは、テレワーク導入の壁となる課題と解決策について説明します。
課題1 業務内容や進捗の見えづらさはツールで解消
オフィスでは、上司と部下が顔を合わせて業務の進み具合や問題点の有無などを共有できますが、テレワークでは、お互いに仕事をしている様子や表情が見えず、つまずきや異変に気づきにくいという難点があります。
解決策としては、タスク管理ツールを導入し、個人のタスクやチーム全体の進捗を可視化すると良いでしょう。場所にとらわれず、メンバーや管理者がいつでも状況を把握でき、割り振りの調整や必要な指示を出せるようになります。
課題2 コミュニケーション不足はバーチャルオフィスの導入も
同じ職場にいれば、「調子どう?」といった気軽な声かけや雑談を交わす機会がありますが、テレワークは業務開始から終了まで非対面となり、話すべき内容のみ共有する傾向があります。
チャットツールはメールよりも送信ハードルが低く、スタンプなどで気軽にリアクションを返せたり、進行中の会話にも入りやすいため、コミュニケーションのリアルタイム性が向上します。また、離れた場所でもオフィスと同じような感覚で会話ができるバーチャルオフィスも有効です。同じオフィスにいたメンバーはもちろん、遠隔地にいるメンバーとも近い距離感で情報共有でき、部門を越えた連携もスムーズになります。
課題3 従業員への負担にも配慮する
在宅勤務の場合は、自宅のWi-Fi環境を強化したり、仕事用のデスクや椅子の購入、月々の冷暖房費など従業員側の出費が増えます。福利厚生を見直し、会社として従業員をバックアップすると良いでしょう。たとえば、通勤手当に充てていた費用やテレワーク導入の助成金などを在宅勤務手当として支給すると、従業員の負担を軽減できます。
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