テレワークによるコスト削減と、社員同士のコミュニケーションを両立する方法
働き方改革の1つとして注目が集まっている「テレワーク」は、ここ1年ほどで多くの企業が導入し始めています。一方で、「コミュニケーションがうまくとれない」などの理由からオフィス回帰が生じていることも事実です。
今後もテレワークが定着すれば、企業はオフィスの縮小や通勤時間の削減など、多くのコストをカットすることができます。
そこで今回は、テレワークを導入・定着させることで削減できるコストを紹介しつつ、テレワーク環境で社員同士のコミュニケーションを円滑化させる方法について解説します。
目次
テレワーク定着で削減できるコスト―企業編
テレワークが定着することで企業が削減できるコストは、オフィス賃料などの固定費や通勤費などの社員の費用などに大別できます。
実際にどのくらいコストがかかるのかデータを見ながら、テレワークの導入メリットを見ていきましょう。
オフィス賃料の削減
テレワークを導入することで、契約している会社のオフィスを解約したり、縮小することができるため、固定費の削減効果が期待できます。
三鬼商事株式会社が「東京オフィスレポート2021」で公表しているデータによると、2020年の東京ビジネス地区における平均賃料は、1坪あたり約22,000円となっています。都内のオフィス平均賃料は年々増加傾向にあり、企業の固定費を圧迫する要因になっていることがわかります。
特に、新入社員など給料が低い社員にとっては、都心の家賃は生活費を大きく圧迫する要因になります。
テレワークの導入により業務が効率化できれば、オフィスを縮小することで賃料を削減することができるでしょう。
また、経済産業省関東経済産業局は「地方移転に関する動向調査結果」を実施し、東京圏に拠点を持つ企業に対して地方移転に関する意向を調査しています。調査の結果を見ると、有効回答680社のうち18.4%の企業がすでに移転や分散をしており、7.8%移転や分散について検討中であると回答したことがわかります。
地方へのオフィス移転が実現すれば、より安い賃料でオフィスを契約することができるため、固定費の削減が期待できます。
社員の通勤費の削減
テレワーク勤務を続けることで、社員の通勤費を削減することができます。
厚生労働省が実施している「令和2年就労条件総合調査」によると、企業の規模に関わらず、90%以上の企業が通勤手当を導入していることが回答からわかっています。
また、通勤手当を支給している企業は社員一人あたり平均11,700円ほどの手当を負担しているとされています。
例えば、社員30人に平均1万円の通勤手当を支給している会社がテレワークを導入し、半数の社員を在宅勤務とした場合、毎月およそ15万円の費用が節減されます。
通勤を完全にテレワークに切り替える、あるいは一部をテレワークでの業務に切り替えることで、人件費を効率的に圧縮することができます。
テレワークにより削減できるコスト―社員編
テレワークを継続することで、企業だけではなく社内で働く社員も様々なコストを削減することができます。
ここでは、通勤負担や家賃負担などのコストについて考えていきましょう。
通勤時間の削減
テレワークによって社員も通勤時間も削減することができます。都内など住宅地から離れたところに立地する会社の場合、社員は通勤に大きなコストを割いています。
ニッセイ基礎研究所が公表するレポートでは、会社に通勤する人を対象に都道府県別の平均通勤時間を割り出しています。
※ニッセイ基礎研究所「都道府県別平均通勤時間」を元に作成
通勤時間の長い地域、短い地域別をそれぞれ上位4つあげてみましょう。上位の都県はいずれも首都圏に近く、それぞれの都県から会社まで長い時間をかけて通勤していることが伺えます。
反対に、秋田県、宮崎県、鳥取県、島根県などは通勤時間が短く、地方ほど会社までのアクセスが良いことがわかります。地方では車通勤の割合が多いことや、中心街に近い場所であっても比較的地価が安いことから、公共交通機関を利用してもそれほど通勤時間がかからないことなどが要因としてあげられるでしょう。
また、通勤時間は幸福度に影響することがかねてから指摘されていました。ニッセイ基礎研究所の別のレポートでは、在宅勤務や通勤時間が30分未満の人に対して、1時間、あるいはそれ以上の人は幸福度が低い傾向が示されています。
このように、社員の働く上でのモチベーションを維持するためにも、通勤時間を削減することは必要不可欠です。テレワーク体制を維持すれば、それだけ社員が通勤で疲弊することを防ぐことができます。
金銭面においても、長距離の通勤などで通勤手当が全額支給されないケースでは、テレワークにより社員の持ち出し分を減らす効果があります。
家賃負担の削減
家賃補助や社宅がある会社を除けば、都心部に住む場合、社員には家賃負担が重くのしかかることになります。
従来のように週に5日程度オフィスに勤務しなければならないのであれば、通勤時間等を考慮して都心近くに住まざるを得ません。
特に中小企業やベンチャー企業の場合、家賃補助制度が用意されていない場合も多く、都心への勤務は社員にとって大きな負担となります。
しかし、テレワークが定着し出勤日数が減れば、より家賃が安価な郊外に引っ越すことが可能になるでしょう。
テレワークを推進することで、社員の多様な働き方、住み方が実現できます。
テレワークの課題と解決方法
これまで、テレワークにより企業、社員それぞれの様々なコストが削減されることを説明してきました。一方で、テレワークによる仕事はチームのコミュニケーションが不足してしまうなどの課題も抱えています。
テレワークによるコスト削減とコミュニケーションを両立させるにはどうすれば良いのでしょうか。
テレワークによりコミュニケーション不足が鮮明に
テレワークによる仕事はオフィスでの仕事と比べコミュニケーション上の問題が生じることが多く、それが原因でテレワークを諦める企業も存在します。
Zoomなどのビデオ会議ツールは誰でも簡単に操作できますが、一方で会議前にURLを発行しなければならず、どうしても自然発生的な会話が生まれにくい環境です。
また、多くのビデオ会議ツールは会議など特定の議題を話すために導入されていることが多いため、従来オフィスなどで交わされていた雑談などが生じにくく、仕事をしていても孤独に感じてしまう人も見受けられます。
これらのテレワークの課題を解決するためには、チーム内でのコミュニケーションツールの見直しやツールの運用方法について共通認識を持つことが必要です。
テレワークで孤独を感じる社員が増加した
合同会社DMM.comが行った「コロナ禍での会話に関する調査」(調査期間:2月27日〜3月1日、対象:全国の20代~50代の男女485人)によると、コロナ前と比べて他人と話す機会が減ったと感じている人は5割以上にのぼっています。
また、会話量が減ることで、ストレスが溜まりやすくなったり、新しい情報が入ってこなくなるといった弊害も出ていることが明らかになっています。
このように、テレワークは様々なコストを削減できる一方、社員の精神状態などにストレスを与えてしまう恐れがあります。テレワークを長期間導入する際は、これらのコミュニケーションの課題を解決することが必要不可欠です。
社員同士のコミュニケーション不足を解消するには
テレワークを導入しながら社員同士のコミュニケーション不足を解消するためには、ビデオ会議ツールで行うような断続的なコミュニケーションではなく、持続的で自然なコミュニケーションを意識する必要があります。
バーチャルオフィスoviceでは、オフィスに入室したまま仕事をすることができるため、同じ空間で仲間と時間を共有することができます。また、oviceはアバターを利用してお互いに現在の状況を確認できるので、就業時間にメンバーが仕事をしているかどうかをチェックすることも可能です。
oviceをチームで上手に活用すれば、テレワークの利点を最大限に活かしながら円滑なコミュニケーションを行うことができます。オフィス内ではチャットのほか、音声通話やビデオ会議、画面共有など様々なコミュニケーションをシームレスに行うことができるため、実際にオフィスにいるような感覚で仕事のやり取りができ、孤独感を和らげることができるでしょう。
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