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ハイブリッド勤務導入、準備すべき9つのポイント

アフターコロナの新しい働き方として、オフィスワークとテレワークを組み合わせた「ハイブリッド勤務」を検討している企業は少なくないでしょう。しかし、急にテレワークを導入して様々な問題が多発した企業が出たように、ハイブリッド勤務も十分な準備なしに取り入れてもうまくいきません。

今回はハイブリッド勤務を取り入れるにあたって注意すべきポイントをまとめました。今後ハイブリッド勤務を考えている企業は参考にしてみてください。

point1 労働時間・場所の管理

ハイブリッド勤務をするにあたって重要なのは「誰がいつ、どこで働いているのか」を管理すること。これは決して、メンバーたちがしっかり働いているか監視するためではありません。むしろ、「働きすぎ」や「仕事の効率が下がっていないか」を把握するためです。

自宅で仕事をしていると、どうしてもオンとオフの切り替えが難しいもの。長時間労働によって心身が疲弊しパフォーマンスが下がらないよう、マネージャー層が働く時間や働き方を把握しておくことが求められます。

また、対面していれば今の仕事に苦戦しているかどうかひと目で分かるものの、離れていると生産性が落ちていることにも気づきにくいものです。仕事の効率なども可視化できるツールを活用すれば、問題を抱えているメンバーにすぐに気づき話を聞いてあげることもできるでしょう。

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point2 福利厚生の見直し

ハイブリッド勤務を導入するには、手当などの福利厚生も見直さなければなりません。例えば自宅で仕事をする人は、出社する人に比べて電気代や通信費がかかります。通勤手当は出るのに通信費が出ないのであれば、テレワークするだけ損に感じる人もいるでしょう。

出社してもテレワークでも条件が同じになるように、福利厚生の内容やその条件も見直して納得して働ける環境を作ってください。

point3 コミュニケーションの見直し

テレワークを導入した企業なら、オンラインでコミュニケーションできる環境は整っているはずです。ただし、ハイブリッド勤務を実現するためには、単にシステムを導入するだけでなく、コミュニケーションの仕組みやメンバーの意識を見直すことが重要です。

完全なテレワークと違い、ハイブリッド勤務では出社する人もいるため、情報がオフィスに集中しがちです。テレワーク組が出社組と同様に情報にアクセスできる仕組みを作るのはもちろん、オフィスで話した内容も細かく共有する意識も根付かせましょう。

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point4 公正な評価制度

仕事の過程が見えやすい出社組は、結果しか見えにくいテレワーク組に比べて、どうしても評価をしやすいもの。マネージャーから見れば、対面している方がマネジメントしやすいため「出社すること」自体が評価の対象になってしまいがちです。

しかし、テレワークを選ぶことで評価が不利になるようでは、誰もテレワークを選びませんし、テレワークを選ばざるを得ない人は転職していくでしょう。人材を確保し、高いパフォーマンスを上げてもらうには、どんな働き方でも適切に評価される仕組みづくりが必要です。

point5 オフィスの見直し

ハイブリッド勤務においては、メンバー全員分の席を用意する必要がない代わりに、出社した人たちが働きやすい環境作りが重要です。例えば、自分の席でオンラインの打ち合わせをする際に、隣でもオンラインで打ち合わせをしていたり、誰かが後ろを通る環境では落ち着いて打ち合わせができません。

そのような悩みから、社内でオンラインの打ち合わせする場所が見つからない「Zoom難民」という言葉も生まれました

その解決策として、注目されているのが「Activity Based Working(ABW)」という新しいオフィスのあり方。これまでの「人」にフォーカスしたオフィス作りではなく、「業務」にフォーカスしたオフィスのことです。

自分の席という概念がなく「オンライン打ち合わせ」のブースや「一人で集中して作業」するためのブースなど、業務に合わせたエリアで分けられています。会社によって業務や組織形態も異なるので、自社に最適なオフィスを考え直してみましょう。

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point6 シェアオフィス・バーチャルオフィスの活用

ハイブリッド勤務というのは、何もオフィスと職場だけが「働く場所」ではありません。例えばシェアオフィスやバーチャルオフィスを法人契約して、誰でもメンバーが自由に働けるようにするのもスムーズなハイブリッド勤務の実現には重要です。

メンバーの中には「通勤時間はもったいないけど、自宅では仕事がしづらい」「集中力がきれたから環境を変えたいけど、自宅だと集中できない」など様々な事情を持っている方がいます。そのような方に働く場所の選択肢を与えることで、高いパフォーマンスを期待できるはずです。

ハイブリッド勤務に最適なバーチャルオフィス(仮想オフィス)については以下にまとめてあります。

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point7 セキュリティ対策の徹底

オフィス以外でPCを扱うということは、セキュリティにも気をつけなければいけません。会社として安全なツールを使うことはもちろん、メンバーたちにもセキュリティ教育を徹底しましょう。

フリーWi-Fiだけでなく、企業が把握していないデバイスやクラウドサービスを意味する「シャドーIT」など、ちょっとしたセキュリティの穴が、会社に重大な損害を与えかねません。どのような行動が危険なのか、どういう事態に繋がる恐れがあるのか、社員たちに十分に理解してもらいましょう。

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point8 1on1の実施

テレワークの最も大きなデメリットは「雑談が減る」こと。仕事の進捗などはツールなどでできるものの、気軽に話を聞いてもらう機会を作るのは至難の業です。そこで重要なのが1on1。仕事での困りごとはもちろん、雑談でもいいので話す時間を作りましょう。

ちょっとした雑談から組織が抱えている課題に気づけるかもしれませんし、話すこと自体がメンバーの気晴らしにもなり、組織への帰属感も高まります。出社すれば自然にできていた雑談も、テレワーク下では意識的に行いましょう。

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point9 ビジョンを伝える場を設ける

ハイブリッド勤務下では、出社組とテレワーク組でモチベーションに差が生じることもあります。普段から出社している人は会社への帰属意識も強くなりますが、テレワークが長く続くと「なんでこの会社で働いているんだっけ」と考えてしまってもおかしくありません。

少しでもメンバーのモチベーションの底上げをするためにも、会社のビジョンや方向性を伝える場を設けましょう。全社で集まるのも重要ですが、チームごとに集まって今季の目標や計画をすり合わせる場も必要です。

普段のミーティングはオンラインでも構いませんが、週に1度、少なくとも月に一度は対面で集まることで、チームの結束も強められるでしょう。

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SuzukiKohei
フリーのビジネスライターとして、ビジネスメディアでの執筆やベンチャー企業の採用広報を担当。起業家や投資家のほか、ベンチャー企業とのオープンイノベーションに積極的な大企業への取材を行う。