柔軟な働き方を実現するために、固定席を設けず好きな席で働く「フリーアドレス」が多くの企業で取り入れられています。
フリーアドレスにはスペースの有効活用やコミュニケーションの活性化などのメリットがある一方で、社員が苦痛を抱えてしまうケースも考えられます。
この記事では、フリーアドレスを苦痛に感じる理由、解消するための対策、フリーアドレスを成功させるためのポイントを解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもフリーアドレスとは何?
フリーアドレスとは、従来のようにオフィス内に固定席を作らず、自由に席を選んで仕事をするワークスタイルです。
このことから、ハイブリッドワークを導入している企業では、フリーアドレスの実施が着実に進んでいるといえます。
フリーアドレスは、スペースの有効活用やコミュニケーションの活性化、社員の自律的な働き方の促進につながるなど、多くのメリットがある点が注目されています。
2023年、oVice株式会社ではフリーアドレスとハイブリッドワークを導入している企業に所属する社員を対象に、フリーアドレスに関する実態調査を実施しました。
調査結果では、7割以上の企業がコロナ禍以降にフリーアドレスを導入していたことが判明しました。フリーアドレスの導入時期が2019年以前であった企業は21.4%にとどまり、多くの企業では2020年以降に導入されています。
このことから、ハイブリッドワークを導入している企業では、フリーアドレスの実施が着実に進んでいるといえます。
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フリーアドレスを社員が苦痛に感じる7つの理由と課題
なぜ、社員はフリーアドレスを苦痛に感じてしまうのでしょうか?ここでは7つの理由と課題を紹介します。
- 席が足りないことがある
- 誰がどの座席にいるかわからない
- 毎日どこに座るか考える必要がある
- ちょっとした相談に手間がかかる
- チーム内のコミュニケーションが不足する
- 荷物の持ち運びが大変になる
- 集中できない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
席が足りないことがある
フリーアドレスを導入する企業では、社員の出社率が高い日に席が足りなくなってしまうという課題があります。スペースを有効活用するために、座席数は社員数よりも少なく配置されている場合が多いからです。
出社したにもかかわらずオフィスに席がなければ、帰宅してテレワークに切り替える必要があり、手間がかかることに苦痛を感じてしまいます。
誰がどの座席にいるかわからない
2023年にoVice株式会社が実施したフリーアドレスに関する実態調査によると、約6割が「誰がどの座席にいるかわからない」と回答しています。
通常、フリーアドレスでは毎日違う席に座ることになります。業務で相談や話したいことがあっても同僚や上司がどこにいるかわからず、ストレスを感じてしまうことも。
どこに座っているかがわからなければ電話の取次が難しくなり、電話の相手を待たせてしまうことに苦痛を感じるケースも起こりやすくなります。
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毎日どこに座るか考える必要がある
フリーアドレスでは、オフィスで仕事を始める前に、毎日席を選ぶのが苦痛になってしまう可能性があります。固定席の場合には考える必要がなかったため、空いている席を探す時間や手間にストレスを感じてしまうこともあります。
また、隣に座る人や場所が毎日変わる状況に慣れず、落ち着かないと感じる社員が出てくるケースも考えられます。
ちょっとした相談に手間がかかる
フリーアドレスで誰がどこにいるかわからない状況では、同僚や上司と少しだけ相談したくてもミーティングを設定する必要があり、手間がかかります。
従来の固定席なら近くにいる同僚や上司に対して、会議を設定するまでもないちょっとした質問を気軽にできました。しかし、フリーアドレスではすぐに回答を得られず業務が滞り、社員は苦痛を感じやすくなってしまうのです。
チーム内のコミュニケーションが不足する
フリーアドレスでは、チーム内のコミュニケーション不足が発生しやすくなります。
フリーアドレスを導入すると、部署やチームなどの所属にかかわらず席を選んで仕事をします。すると、チーム内のメンバーと顔を合わせる機会が減り、コミュニケーションが少なくなってしまうのです。
チーム内のメンバー同士の勤務状況や、進捗の把握が難しく、チームとして業務が進めにくくなりストレスを感じることが増える可能性があります。
荷物の持ち運びが大変になる
フリーアドレスでは、離席時にパソコンや文房具、書類などを何も残せないため、移動する際の持ち運びが大変です。
どこに何を置いたか忘れてしまい私物を紛失しやすくなることもあり、荷物の管理を負担に感じてしまう社員もいます。
郵便物の受け渡しや、受け取った後の保管が難しくなるため、郵便BOXや個人ロッカーを設置するなどの対応が必要です。
集中できない
部署を越えたコミュニケーションの活発化が目的でフリーアドレスを導入している場合、話し声で騒がしくなり業務に集中できなくなる場合があります。
騒がしい雰囲気がオフィスに定着すると、周りの声がうるさくて苦痛を感じる社員もいます。
仕事に集中しにくい環境になると、モチベーション低下やストレス増加につながるだけでなく、生産性にも影響を及ぼしてしまうこともあるかもしれません。
フリーアドレスの苦痛やストレスを解消するための対策4つ
導入企業によっては、フリーアドレスを導入したもののうまく定着せず、廃止したケースもあります。
そこで、フリーアドレスを定着させて、社員が感じるストレスや苦痛を解消するための対策を4つ紹介します。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
座席管理ツールを導入する
座席管理ツールを導入すると、フリーアドレスの苦痛が減り定着しやすくなります。座席管理ツールとは、誰がどの席に座っているかを把握するためのツールのことです。
座席の予約や変更が簡単にでき、他の人との座席の取り合いや混乱がなくなります。また、座席の利用状況をリアルタイムで把握できるため、話しかけたい人を見つけやすいこともメリットの一つです。
総務や人事担当者にとっては、ツールに記録された各座席の利用履歴や利用率を確認すれば、レイアウトの調整にも役立ちます。
コミュニケーションツールを導入する
フリーアドレスでは、話しかけたい人がどこにいるかわかりづらいことにより、コミュニケーション不足が懸念されます。コミュニケーション不足を解消するには、チーム内のコミュニケーションが活性化するツールの導入も効果的です。
例えば、社員同士の活発な交流を促す2次元のビジネスメタバース「ovice」を導入すれば、お互いが離れた場所にいても、気軽にコミュニケーションをとりやすくなります。
oviceはコミュニケーション強化に重きを置いたツールで、物理的に離れた相手でも気軽な交流が実現できます。相手の肩を叩くことが再現できる「肩ポン機能」を使って気軽に話しかけられ、自然なコミュニケーションを実現できるように設計されている点が特徴です。
収納ボックスを用意する
収納ボックスを用意することも、フリーアドレスによって苦痛に感じる要素をなくすことにつながります。
各座席に簡易的な収納ボックスを用意することで、書類や文房具などの保管が可能です。キャスター付きの収納ボックスであれば、座席の移動時も便利で、荷物管理による苦痛が軽減されます。
ABWを導入する
ABW(Activitiy Based Working)は、従来の働き方やオフィス環境からの脱却を目指した働き方の一つです。作業内容や目的に応じて、働く場所や時間を自由に選択できます。
対するフリーアドレスは、オフィス内で自由に座席を選ぶ働き方です。作業内容や目的に応じた場所を自由に選べるABWとは違い、業務に使用できるスペースは限定されています。
ABWでは、業務に集中したいなら個別スペース、活発な議論をしたいならミーティングエリアなど、場所を使い分けられる点が特徴です。目的ごとに働く場所を変更できるので、フリーアドレスで周りがうるさく仕事に集中できないといった苦痛を軽減できます。
ABWの働く場の一つとして「バーチャルオフィス」も挙げられます。
ビジネスメタバース「ovice」は、2次元のバーチャルオフィスにアバターが出社して働くワークスタイルです。アバターが近づくと実際に会話している人の声が聞こえるなど、オンライン上でも自然なコミュニケーションを実現できます。
ビデオ会議のURLを発行することなく、oviceではビデオ会話やグループ通話を簡単に立ち上げられるなど、フリーアドレスで社員が感じやすい苦痛の解消につながります。
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フリーアドレスを成功させるためのポイント
社員が不要な苦痛を感じることなく、フリーアドレスを成功させるには、次の3つのポイントを押さえましょう。
それぞれ、詳しく説明していきます。
導入目的を明確にして共有する
フリーアドレスをいきなり導入するのではなく、まずはフリーアドレスの目的を社員に共有して、納得してもらうことが大切です。
事前にフリーアドレスの導入目標を明確に定め説明することで、社員の導入意欲が高まります。社員からの質問やフィードバックも積極的に受け入れることで、導入後も形骸化しない制度設計の実現が可能です。
運用ルールを周知する
フリーアドレスの導入を成功させるには、運用ルールを社員に周知することも欠かせません。社員が運用ルールを把握していなければ社内に浸透せず、フリーアドレスの意義が失われてしまうからです。
例えば、座席管理ツールの使い方やオープンスペースの利用時間、私語を控えるスペースについて、窮屈にならない範囲で運用ルールを設けましょう。
ルールがなければ席が見つからなかったり、騒がしいオフィスになったりするなど、社員の負担が大きくなってしまいます。働く上で苦痛がなくなるようなルールを設けることが大切です。
さらに、運用開始に際して、フリーアドレスの説明会を開催してルールを周知すると良いです。
フリーアドレスが向いている企業・部署のみ導入する
フリーアドレスの特性上、向いている企業や部署と向いていない企業・部署があります。
例えば、営業職のように外出が多く、端末を持ち歩けるような職種は向いています。
反対に、処理能力の大きいデスクトップPCや、業務に特定の設備が必要な部署や職種には向いていません。
また、個人情報を多く取り扱う仕事や、金銭にまつわるデータを処理する経理部での実施も難しいと考えられます。
向いていない部署や職種にフリーアドレスを導入すると、社員は苦痛を感じやすくなってしまうので注意が必要です。
まとめ
フリーアドレスを導入する企業は増えましたが、導入前にルールや運用の検討が不十分な場合、制度が形骸化して廃止になってしまうこともあります。
制度の定着を成功させるためにも、フリーアドレスに伴う苦痛やストレスの解消につながる施策を事前に考慮しておきましょう。
とくに、導入目的の明確化や運用ルールの周知、そもそも自社の業種や導入検討している部署の働き方がフリーアドレスに適しているかを、十分に検討すると良いです。
ビジネスメタバース「ovice」では、コミュニケーション機能が充実しているため、離れていてもまるで顔を合わせているような気軽なコミュニケーションが実現できます。
また、社員がどの席にいてもURL発行などの手間をかけずに、簡単にビジネスを促進する交流が可能です。
フリーアドレスの課題解消に有効なツールをお探しの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。