コミュニケーション不足の原因は何?職場への影響や解決策を紹介
職場におけるコミュニケーション不足は、部署間の交流が少なく、一方通行のコミュニケーションが多い場合などに発生します。
十分なコミュニケーションがなければ、高い離職率や業務ミスの増加につながる恐れがあるので早急な改善が必要です。
この記事では、コミュニケーション不足が業務に及ぼす影響や5つの原因、職場でできる対策を紹介します。
コミュニケーションを活発化させるポイントも解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
コミュニケーション不足による職場への影響・問題点
2023年にHR総研が発表した「社内コミュニケーションに関するアンケート 結果報告」によると、9割以上の対象者が「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になる」と答えていることがわかりました(※)。
コミュニケーション不足によって業務に生じる影響として、具体的には次のような内容が挙げられます。
それぞれ、詳しく解説していきます。
<参照>(※)HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート 結果報告|HRpro
ミスが増加して業務品質が低下する
コミュニケーション不足で社員間の情報共有が不足すると、業務の品質が低下する恐れがあります。社員同士で気軽な会話や質問のやり取りができないような環境では、業務における確認不足が発生し、ミスにつながりやすくなるからです。
また、業務トラブルが起こった後の社内でのフォローもうまくできず、チーム全体のパフォーマンスが下がってしまいます。情報共有が滞った状況では、社員が独断で仕事を進めていくことになり、チーム全体の業務品質に一貫性がなくなってしまう点も懸念されます。
社員間の信頼関係を築けず離職率が高くなる
コミュニケーションが不足した職場では、信頼関係を築きにくいことからストレスが溜まり、離職率が高くなるケースもあります。チーム内で協力体制を構築できなければ、人間関係の悩みや仕事のトラブルが絶えなくなる可能性も…。
業務で問題が起こっても即時にチーム内で相談できず、職場への不満が膨らみ、転職を考える人が増えることもあります。また、仕事の進め方を周りから教えてもらいにくい環境ではスキルアップにつながらないため、離職に至ってしまうこともあります。
離職率が高まると採用にかかるコストや引継ぎの負荷が増大するので、早急な対応が必要です。
顧客からの印象が悪くなる
コミュニケーション不足で社員間の連携が少なくなると、顧客からの印象が悪くなる可能性もあります。
顧客との過去のやり取りが共有されておらず、同僚や上司に質問しづらい職場環境では、何度も同じ内容を顧客に質問したり、答えさせたりしてしまうからです。
社員同士での連携が機能しないことで、顧客の声を商品やサービスに反映できず、客満足度まで下がるリスクもあります。
職場でコミュニケーション不足が発生する5つの原因
職場でコミュニケーション不足に陥る原因として、主に次の5つが挙げられます。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
上司から社員へ一方通行の発信になっている
上司から社員への発信のみで、会話が一方通行になっていると、コミュニケーション不足が発生しやすくなります。
そもそも、コミュニケーションとは意思を伝え合うことです。双方向のコミュニケーションによって良好な人間関係を構築でき、職場で協力体制を築けるようになります。
マネジメント側は発信することで「コミュニケーションを取れている」と考えていても、社員側では「意思疎通ができない職場」と思われている可能性もあります。
部署間の連携や交流が十分でない
チーム内に問題がなかったとしても、別の部署と連携や交流がないことで、組織としてコミュニケーション不足に陥るケースもあります。
とくに社員一人ひとりが独立して業務を進めるような職場の場合は、目標や重要な情報が共有されづらくなることもあります。
また、業務以外の場面で話す機会がないことでコミュニケーションが制限され、いざ連携が必要な業務に取り組む際にも、スムーズに進行ができなくなってしまいます。
テレワークで顔を合わせる機会が少ない
テレワークを導入している職場では、同じ部署のメンバーはもちろん、他部署とも顔を合わせる機会が少なく、コミュニケーション不足に陥ってしまいます。
チャットやメールだけでは表情や声のトーン、身振りから伝わる細かいニュアンスの把握が難しいです。また、ウェブ会議は設定する手間がかかるため、気軽に話しかけづらく、情報共有が不十分になり、仕事の進行に影響が出ることもあります。
このように、テレワークによって社員同士の会話が減ると、チームメンバーとの関係性が築きづらくなり、モチベーション低下につながる恐れも。さらに、会社への帰属意識の低下やチームとしての一体感の喪失にも注意が必要です。
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テレワークとは?メリット・デメリット、リモートワークとの違い、どんな仕事に向いているかを解説
職場の心理的安全性が低い
職場の心理的安全性が低いと、社員は発言を控えるようになり、結果としてコミュニケーション不足が起こってしまいます。
心理的安全性とは、チーム内でどのような発言をしても、嫌われたり関係性が壊れたりすることなく、安心して意見を言える状態のことを指します。
心理的安全性が高い職場では、意見やアイデアを言いやすくコミュニケーションの活発化につながります。どのような内容でも受け入れてもらえる体制や信頼関係があるので、年齢や役職に関係なく活発な議論が可能です。
一方で、心理的安全性が低い職場では、異なる意見を伝えると厳しく批判され、否定されてしまうことがあります。社員は自分の意見が公正に評価されていないと感じ、発言をあきらめてしまうことで職場への不満やコミュニケーション不足が発生します。
悩みを相談しにくい雰囲気がある
悩みを相談しにくい雰囲気の職場では、仕事で困ったことがあっても相談できず、コミュニケーションが少なくなります。
上司や先輩の対応が冷たい、またはいつも忙しくてイライラしている場合、社員は悩みを打ち明けられず、一人で抱え込んでしまうようになるからです。
その結果、仕事が非効率になり、トラブルやミスが発生しやすい状況に陥ってしまいます。それだけでなく、社員は自分の評価が下がってしまうことを恐れてさらに発言を控えるようになり、最悪のケースではメンタルヘルスの不調や離職に至ることもあります。
職場におけるコミュニケーション不足の解決策
ここでは、コミュニケーション不足の解消につながる5つの対策を紹介します。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
1on1ミーティングを定期的に実施する
1on1ミーティングとは、社員の状況や希望をヒアリングし、サポートするための個人面談のことです。
上司と社員で1on1ミーティングを定期的に実施することで、コミュニケーション不足の解消につながります。
1on1ミーティングでは、上司が社員を評価するだけでなく、社員の要望やキャリアの悩みを丁寧に傾聴する姿勢が重要です。月に1回など定期的に実施して、社員の不満や不安を解消しながら成長を見守ることで、信頼関係を構築できます。
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メンター制度を実施する
企業におけるメンター制度とは、メンターと呼ばれる年齢の近い先輩社員による指導やアドバイスを通して、新入社員の成長を支援する制度です。
上司には相談しにくいことも、年齢が近いメンターになら話しやすく、会社や業務に関する疑問や不安の解消につながります。
新入社員はメンターと交流することでコミュニケーションが増え、仕事に関するサポートを受けながら会社の雰囲気に馴染み、定着していくようになります。メンター制度はコミュニケーションの活性化だけでなく、心理的安全性の向上にも効果的です。
フリーアドレスを導入する
フリーアドレスとは、オフィスに固定されたデスクがなく、社員は作業内容やニーズに応じて自由に席を選べるワークスタイルのことです。
デスクのレイアウトを工夫して、社員同士の交流が発生しやすいよう配置すれば、部署を超えたコミュニケーションの活発化につながります。
また、基本的に社員は毎回違う席に座ることになるので、固定席の状態では話すことがなかった人と交流するきっかけも生まれます。
仕事に関する新しいアイデアを交換しやすくなり、共創やイノベーションが生まれやすい環境づくりに役立てることが可能です。
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フリーアドレスの廃止が増加中?導入のメリット・デメリットを解説
社内の交流イベントを開催する
社内の交流イベントを開催することで、社員が気軽に話しかけやすい環境の構築につながり、コミュニケーション不足の解消が見込めます。
業務時間内ではラフな会話が難しくても、交流を前提としたイベントを実施すれば、別の部署や目上の人とも話すきっかけを持ちやすくなるからです。
例えば、新入社員の歓迎会やファミリーデー、トークイベントなどの開催がおすすめです。
また、オンラインでもツールを使って交流イベントを開催できます。バーチャルオフィスoviceを使って、バーチャル懇親会を開いた株式会社JERAの事例を見てみましょう。
目的:コロナ禍で失われかけていた一体感を取り戻すため
時期:2022年2月に3回に分けて開催
参加人数:337名の社員が、東京や西日本、上越などの事務所の社員が参加
企画内容:高級食材を当てる格付けゲーム、グループごとの懇親会、席替え
効果:参加者アンケートで5段階中「4.2」を獲得。楽しい時間を共有できた
oviceを使ったバーチャル懇親会の詳しい様子は、以下の記事をぜひご覧ください。
関連記事:
全国から、全3回337人が参加「バーチャル全社懇親会」背景&席替えで“飽きさせない”進行
コミュニケーションツールを活用する
コミュニケーションツールの活用も、社内交流の活性化に効果的です。
具体的には、社内SNSやビデオ会議ツール、バーチャルオフィスなどの活用をおすすめします。それぞれの概要は、次の通りです。
社内コミュニケーション不足を解消するツールの例 | |
社内SNS | 社員同士の情報共有・連携が促進されるツール |
ビデオ会議ツール | ビデオ通話を通じたリアルタイムのコミュニケーションツール |
バーチャルオフィス | 顔を合わせているかのようなコミュニケーションが行える仮想オフィス |
従来は電話やメールが主に使われていましたが、上記のコミュニケーションツールを活用することで、迅速な意思伝達や情報共有が実現します。
バーチャルオフィスの「ovice」は、アバターを用いながら上司や同僚と自然なコミュニケーションを取れる機能が充実しています。気軽に話しかけやすい仕組みがあるので、リモートワーク時でもコミュニケーション不足の解消につながるはずです。
関連記事:
Slack,Zoom,ovice…コミュニケーションツール、どう使い分ける? 3つの事例を紹介
コミュニケーション不足の解消に重要なポイント3つ
職場のコミュニケーション不足を解決するには、主に次の3つのポイントが重要です。
それぞれのポイントについて、詳しく説明していきます。
社内コミュニケーション戦略を立てる
社内コミュニケーションを活発化させるには、現場のメンバーに任せるだけでなく、企業として戦略を立てましょう。
社内コミュニケーションの活発化によって、定着率や生産性の向上、イノベーションの創出など、経営において多くのメリットを得られるからです。
例えば、次のような項目を検討し、戦略を立てると良いでしょう。
- 社内コミュニケーションの課題や目的
- 社内コミュニケーションの方法や頻度
- コミュニケーションツールの選定
まずは、社内コミュニケーションの課題や目的を明確にし、短期から中長期で取り組む内容を決定して、実行と改善を繰り返してPDCAを回していくことが大切です。
コミュニケーションスキルを身につける
社員だけでなく、経営幹部やマネジメント層もコミュニケーションスキルを身につけることは、社内のコミュニケーション不足の解消に重要です。
マネジメント層が、正しいコミュニケーションの取り方がわからなければ、部下は話しかけにくくなります。その場合、どれだけ効果的なツールを導入しても、コミュニケーション不足が発生してしまいます。
マネジメント層にもコミュニケーションスキルを向上させるには、企業として、マネジメント層向けのコミュニケーション研修の提供が必要です。
相手を否定しない話の聞き方や、心理的安全性の作り方などのスキルを磨くことで、職場において円滑なコミュニケーションが実現します。
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ビジネスコミュニケーションの基本とは?重要性や必要な能力、スキルの高め方など紹介
コミュニケーションのハードルが低い環境を作る
社内全体でコミュニケーションのハードルを下げ、口頭でのクイックな確認・相談ができる環境をつくることも大切です。
「今ちょっといいですか?」から始まるような、些細な疑問や確認がすぐに行えると認識の齟齬が起きづらくなり、チームとして仕事を効率的に進めやすくなります。
バーチャルオフィスのoviceは、働く場所の制約を無くし、交流を促すことが可能なコミュニケーションツールです。アバターが仮想空間に出社することで、クイックで効率的なやり取りが実現できます。
手軽にコミュニケーションが取れる機能も多数搭載されているため、コミュニケーションのハードルが低い環境づくりに貢献します。
まとめ
職場におけるコミュニケーション不足は、高い離職率や業務ミスの増加につながる恐れがあります。
1on1ミーティングやメンター制度などの実施でコミュニケーションを活性化し、社員の不安を解消しながらサポートしましょう。
また、コミュニケーションツールの活用で、リモートワーク時や別拠点にいる社員同士の情報共有がスムーズになります。
バーチャルオフィスのoviceは、社内での手軽なコミュニケーションを実現できる機能が充実してます。コミュニケーション不足に課題がある場合は、ぜひ活用を検討してみてください。