障がい者の「働く」を、テレワークとoviceで変革
テレワークが世の中に広まったことにより、出勤前提であれば難しかった障がい者の就労に変化が生まれています。
毎日新聞の今年7月の報道によれば、兵庫県朝来市和田山町の県立和田山特別支援学校など県内の特別支援学校3校では、テレワークを体験する「お仕事体験会」が開催されました。記事では、この体験会の参加者がオンラインで指導を受ける様子が紹介されています。
この取り組みで、オンラインツールでメンバーとつながりながら業務に取り組む姿は、多くの企業がコロナ禍に採用したテレワークとなんら変わりないように見えます。この記事では、身体障がい者と精神障がい者の働き方が、テレワークやバーチャルオフィスoviceによってどのように変化しているのかを、事例を交えて紹介します。
<参照>障がい者にテレワークで新たな選択肢 特別支援学校で仕事体験会
目次
身体障がい者の社員がテレワークで活躍
和田山特別支援学校の取り組みに協力した「スタッフサービス・クラウドワーク」は、在宅就労を通じて通勤が困難な重度身体障害の雇用を推進する企業です。
公式サイトによれば、内部疾患の方、下肢障害や片麻痺の方、難病等の方などいろいろな障がいのある方が活躍しているそうです。
同社は、障がい者の方の在宅勤務について、研修やミーティング時などはウェブカメラを使用してお互いの顔を見ながらコミュニケーションをとって進めているといいます。
精神障がい者の雇用が日本社会で増加
精神障がい者の雇用も近年注目を集めているトピックスです。
株式会社パーソル総合研究所は、2023年7月に「精神障害者雇用の現場マネジメントについての定量調査」を発表しています。この調査リリースによれば、精神障害者の就職件数は、ここ10年で急速に増加しており、その背景には①日本における精神疾患の患者数増加と、②障害者手帳を取得し障害者枠での就労を希望する人が増加していることがあると説明されています。
また2018年の精神障害者の雇用義務化により、法定雇用率が段階的に引き上げられていることも就職件数増加の理由の一つです。
このパーソルの調査では、企業は障がい者雇用に対して、能力を発揮してもらうことよりも、義務化された雇用数の確保を優先する傾向があることも明らかになっています。
<参照>パーソル総合研究所、精神障害者雇用の現場マネジメントについての定量調査を発表
【事例】oviceを活用した、障がい者雇用・障がい者の就労支援の現場
バーチャルオフィスのoviceを活用し、身体障がい者の就労や、精神障がい者の就労支援を行う企業や団体もあります。
①Man to Man Animo株式会社
2004年に岐阜で設立されたMan to Man Animo株式会社は、障がい者雇用の促進と活躍の場を創出することを理念とした企業です。34名の社員のうち、12名が障がい者手帳を持っています。
同社ではこれまでも、重度身体障がいのある従業員は在宅勤務をしており、Web制作やRPAに従事していました。コロナ禍では日本全国で在宅ワークが当たり前になりましたが、そのことで感じた変化を同社で働く緒方さんは以下のように表現します。
例えば、「勤務先に利用できるトイレがなければ働けない」なんていうことが、これまでは当たり前のようにあったんです。「外へ出て働く」が基本である世界では、重度身体障がい者にとっては「あなたは働けないよ」と言われているに近かったんですよね。
ところが在宅ワークが当たり前になって、「私は働けるんだ」と考えることができるようになりました。
oVice 活用事例|重度身体障がい者の“働く”を変えたovice メンバーとの連携に役立つ理由は、ずばり「雑談」
oviceを導入したことで、重度身体障がいのあるメンバーが営業訪問をしたり、外部の人と仕事をする機会が生まれたりしたそうです。
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②NPO法人N3
NPO法人N3は、精神障がいのある人がクリエイターとして活躍するための就労支援を行う非営利団体です。
同社では一部出社を取り入れたハイブリッド型勤務を行っていましたが、ovice導入を経てフルリモートの組織となりました。この改革は、出社にストレスを感じやすい障がいのあるクリエイターがより働きやすい環境を目指した結果でもあると話します。
フルリモート体制のため、事業所運営のすべてをoviceで実施しています。具体的には、午前中に行われる全体ミーティングへの参加と、1日90分以上のoviceでの作業を条件にフレックスタイム制を導入しています。
oviceを導入したことでコミュニケーションのストレスが軽減し、チームによる業務などもスムーズに進められるようになったとのこと。 クライアントとの打ち合わせも専用フロアを設けるなど、oviceの活用で就労支援事業の売上、利益ともに大きな伸長につながりました。
代表理事の足立さんは、今後の障がい者雇用のあり方について、oVice編集部の質問に対し以下のように回答くださっています。
障がい者のデジタル分野のスキルアップを支援し、併せてリモートワークを推進するため在宅環境の整備にも取り組むことで、多くの未就労障がい者に就労の道が開かれます。
現在、フリーランスは障害者雇用制度の対象ではありませんが、障がい者がフリーランスとして活躍し、事業が拡大すれば障がい者が雇用主として活躍することも増えていきます。
事業者は障がい者を雇用するだけでなく、フリーランスなど障がい者への発注を拡大することで、障がい者の就労を支援することが期待されます
oVice 活用事例|障がい者の就労支援をフルリモートで。過去最高の売上高をもたらした働き方改革
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働きやすさ、アウトプットにつながるオンラインでのつながり
在宅勤務は、通勤や出社しての就労が障害となる人々の活躍の場を広げています。そして、そのような人たちが勤務時間にオンラインでつながることは、心理面だけでなく事業の成果にも良い効果をもたらしています。
優秀な人材の雇用を考える際、ダイバーシティの目線は欠かせません。そして、障害のある方の雇用や活躍を目指す組織にとって、oviceを活用したリモートワークは有効な方法です。
障がい者の勤務に際し、バーチャルオフィスoviceを活用する企業は、本記事でご紹介した2社だけではありません。oViceでは今回ご紹介した2社を含む4つの企業や組織に取材をし、「oviceを活用して障がい者のメンバーと働くこと」についての意見を掲載した資料を公開中です。これからの組織の成長戦略を考える際に、ぜひ参考にしてみてください。
これまでの勤務スタイルでは実現の難しかった障がい者の活躍の場。oviceを導入することで、どのようにそれが実現しているかについて紹介します。