職種別テレワーク実施ランキング!テレワークに向いている職種は?
ICTの進歩によりテレワーク環境が年々整備されてきていることや、コロナの影響もあり、テレワークの普及率は2022年2月時点で正社員全体の約3割に達しています*。一方で、テレワーカーの内訳をひも解くと、職種により普及率の格差が生じているようです。
(参照:パーソル総合研究所|「第六回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」)
本記事では、テレワークに向いている仕事や、テレワークの適性度を左右するポイント、成果を発揮するための心得について解説します。
目次
職種別テレワーク実施率【2022年版 ランキング】
2022年2月のアンケートによれば、テレワーク実施率はWebクリエイティブ職が8割近くと最も高く、次いでIT系技術職、企画・マーケティングも6割以上と高水準です。そのほか、広報やバックオフィス業務、セールスも上位10職種に含まれています。
テレワークに向いている職種12選
テレワークに向いている以下11の職種について、仕事内容や年収、テレワークが可能な理由を解説します。
- SE(システムエンジニア)、プログラマー
- PM(プロジェクトマネージャー)
- Webマーケター
- Webデザイナー
- エディター、ライター
- データアナリスト、データサイエンティスト
- コンサルタント
- 営業
- カスタマーサポート
- 経理や総務などの事務系
- カウンセラー
①SE(システムエンジニア)、プログラマー
プロダクトを自社開発している企業や、DX推進を目指す企業において欠かせないSEは、システム開発業務の中心となる職種です。要件定義、システム設計、運用テストなどを担います。また、プログラマーは、SEの設計に基づきプログラミングを実行する実装部隊です。
両者ともパソコンを使う仕事がメインのため、自宅やサードプレイスへパソコンを持ち運んで仕事ができます。タスクの進捗や品質についても、プログラミングボリュームやシステムの稼働率などで把握しやすく、テレワーク中でも成果は可視化しやすいでしょう。
さらに、複数エンジニアで分業ができ、割り振られた範囲に対し、個人で集中して進められます。
サーバやパソコン内に格納された個人情報や、システム仕様書、設計書などは機密情報にあたるため、社外で取り扱う場合は注意が必要です。セキュリティを確保した環境の整備やガイドライン策定といった対応をしましょう。
正社員の平均年収は、SEが約498万円、プログラマーが約423万円となっています。
②PM(プロジェクトマネージャー)
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクト全体を管理する役割を担い、進行管理や予算管理、工数調整などを実施します。複数メンバーと関わり合いながら仕事を進めますが、メンバー間のコミュニケーションやプロジェクト管理ができるツールは多数あるため、リモートでの業務が可能です。
一方で、プロジェクトを確実に進め、目標達成まで牽引する責任があるため、プロジェクトメンバーに対してわかりやすい作業指示を出したり、チーム内の意思統一を図ったりすることが重要です。また、テレワークでもトラブルを検知できるような仕組みと、柔軟に対応できる体制を構築すると良いでしょう。正社員の平均年収は、618万円です。
求人ボックス 給料ナビ|プロジェクトマネージャーの仕事の年収・時給・給料
③Webマーケター
WEBマーケターの仕事も、データ分析、企画や計画・施策の立案など、基本的にパソコン上で取り組む業務のボリュームが多くなるため、リモートワークが可能な職種です。
クライアントワークではなく、自社のマーケティングを担当する場合のほうが、よりリモートワークがしやすいといえるでしょう。
Webマーケターは、自社サービスや商品への認知度や受注率を上げるための仕組みをWeb上に構築します。Webサイトの改善やWeb広告出稿などといったマーケティング施策の実行と効果測定を繰り返し、顧客へのアプローチに活かしていきます。
Web分析や、Webコンテンツの企画立案が主な仕事のため、テレワークは充分可能です。また、クライアントのマーケティングよりも自社マーケティングの方が、場所への縛りは少ないでしょう。
市場動向の変化をいち早く察知し、アプローチ方法を柔軟に変えていくPDCAサイクルをタイムリーに回す必要があるため、テレワーク中でもチーム内で情報共有や連絡がいつでもできるようにしておく必要があります。正社員の平均年収は、約499万円です。
求人ボックス 給料ナビ|マーケティングの仕事の年収・時給・給料
④Webデザイナー
Webデザイナーは、WebサイトやWebコンテンツ、WebサービスのUIなどをデザインする仕事です。作業自体は一人でもくもくと進めやすいですが、デザイン細部や色味をチェックする必要があるため、大きいモニタと充分な明るさを確保すると良いでしょう。
また、illustratorやPhotoshopなどのデザイン専用ツールを使うことが多いため、ツールがスムーズに動作する高スペックのPCも不可欠です。
新しいアイデアや発想が求められるため、感性が磨かれるような場所など、さまざまな場所で仕事をする方が向いているでしょう。さらに、邪魔が入らず集中できる環境で没頭すると効率化しやすくなります。正社員の平均年収は約444万円です。
求人ボックス 給料ナビ|Webデザイナーの仕事の年収・時給・給料
⑤エディター、ライター
ライターは、テーマに沿った記事を執筆したり、リサーチしてまとめたりする仕事です。執筆だけでなく、入稿まで担う場合もあります。文章を書く時間やWeb上で調べる時間が大半のため、テレワークに向いています。
エディターは、記事の企画やライターが制作した記事のチェック、校正、進行管理を実施するため、PCが使える環境と、企画会議に出席できる仕組みがあればテレワークは可能でしょう。また、業務で顧客情報や社内の機密情報などを扱うことは少ないため、オフィス外で働くハードルは低いと言えます。
成果や報酬が記事単位であることから自宅で副業として従事する人も多く、本業やプライベートと両立しやすい職種です。正社員の平均年収は、ライターが約419万円、エディターが約498万円です。
求人ボックス 給料ナビ|編集者の仕事の年収・時給・給料
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⑥データアナリスト、データサイエンティスト
データアナリストおよびサイエンティストは、企業が保有するビッグデータを解析し、ビジネス課題の可視化を担います。経営状況を定量的に示し、マネジメント層やトップ層へ助言することで、意思決定の精度を高めます。
大量のデータをPCで分析していく職種のため、テレワーク向きです。自社やクライアント企業への報告をオンラインで実施すれば、オフィス出社は不要でしょう。また、データ分析は高い集中力と高度なスキルを要するため、一人で作業がはかどる場所を選べば生産性向上が見込めます。社外で機密性の高い情報を扱う場合は、取扱いに注意が必要です。
正社員の平均年収は、データアナリストで約669万円、データサイエンティストは約695万円と高い水準になっています。
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⑦コンサルタント
コンサルタントは、ビジネス課題解決のための助言をしたり、システムの最適化を図ったりする仕事です。経営トップ層への提案資料作成やデータ分析、会議出席などが想定されます。企業とのやり取りは、電話やメール、ビジネスチャット、Web会議ツールなどで対応できるため、テレワーク可能な職種ですが、コンサルタントの提案が経営判断を左右することもあるため、常駐での対応を求められることもあるでしょう。クライアント企業との信頼関係構築が最優先のため、臨機応変な働き方が大切です。
正社員の平均年収は約473万円です。テクノロジーの知見を活かせるITコンサルタントは、システムエンジニアのキャリアアップとしても選びやすい職種です。
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⑧営業
営業職は、新規顧客との商談や既存顧客のフォロー、契約書作成といった事務作業など、主に顧客との接点を担います。このような形態の営業は、インサイドセールスに対し「フィールドセールス」とも呼びます。
従来はクライアント先でのアポイントが主流だったため、日中帯は外出が多い仕事でしたが、コロナ禍でWeb会議ツールが浸透し、オンライン型営業も増加しています。
同日に対面型を含む複数アポイントがある際は、隙間時間にカフェなどで日報作成やスケジュール調整などを進めると、業務効率化につながります。他の職種と異なり、営業は日単位でテレワークの形態を柔軟に変えると効果的でしょう。
活動報告や顧客情報の参照はシステム上で完結できるため、PCを持ち運べば場所問わず仕事が可能です。また、営業部門では受注金額などの数字を管理するため、成果がわかりやすいのも特徴です。正社員の平均年収は、約389万円です。
⑨カスタマーサポート
カスタマーサポートは、電話やメール、チャットなどで顧客からの問い合わせに対し、商品説明や事象把握、開発担当へ声を共有するなどを実施し、自社に対するエンゲージメントを高める役割を担います。多くの場合は、応対マニュアルやトークスクリプトなどで話す型が決まっているため、メンバー間のやり取りは少ない方でしょう。受けた問い合わせや、架電により、自己完結型で業務を進めます。
カスタマーサポートでは応答率が重要な指標になるため、即時対応を可能にする通信環境や通話環境の整備が必要です。また、インサイドセールスと同様、電話応対時に余計な雑音が入らないように場所を選ぶと良いでしょう。正社員の平均年収は、約434万円です。
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⑩経理や総務などの事務系
事務系の職種では、契約書や請求書などの書類を作成、収集したり、社内規定の作成、備品管理などが主な仕事です。個人作業かつ定常業務が多いため、テレワークに向いている職種です。
書類作成の際は、WordやExcelなどPCを使って進めることが多いですが、原本の管理や郵便物のチェックなど現物を扱う仕事もあるため、出社日も残るでしょう。今後ペーパーレス化が進むことで、テレワーク可能な仕事の範囲は広がる見込みです。正社員の平均年収は、総務が約366万円、経理が約396万円です。
求人ボックス 給料ナビ|総務の仕事の年収・時給・給料
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⑪カウンセラー
カウンセラーは、従業員や経営者が健全なメンタルヘルスを維持できるようにカウンセリングを実施し、キャリア開発や人間関係構築をサポートします。常駐型の場合もありますが、電話やオンライン面談などを活用し、テレワークでの対応も可能です。
テレワークにより、ワークライフバランスを維持しやすくなるメリットがある一方で、職場のメンバーに会えず孤独感を感じたり、気分転換がしづらかったりといった声もあり、職種としての需要は高まる傾向です。オンラインコミュニケーションの中で、いかに社員の本音をくみ取れるかが鍵になるでしょう。正社員の平均年収は、約355万円です。
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テレワーク可能な職種の特徴6つ
テレワークに向いている職種には共通項があります。ある仕事に対し、テレワーク可能かどうかを判断する際は、以下の特徴が該当するかをチェックすると良いでしょう。
①非対面でも仕事が成立する
テレワークでは、オフィスと異なり非対面でのコミュニケーションが前提です。主に個人で進められる仕事や、オンラインで済ませられる業務は、非対面が仕事の障壁にならず、テレワークしやすいでしょう。逆に、接客業や窓口業務など人と直接会うような仕事は不向きと言えます。
②セキュリティリスクを排除できる
機密情報を扱う必要がない仕事は、扱う仕事と比較してセキュリティリスクが低く、テレワークしやすいでしょう。また、機密情報を扱う場合でも、社外での業務を前提とした運用ルールや仕組みを整備すれば、セキュリティを担保した状態でテレワークが可能です。
③パソコンで業務が完結できる
Web上での検索やドキュメント作成など、PC1台で完結できる仕事は、仕事場を柔軟に選びやすいですが、専用設備や機械を扱う仕事は場所が固定されます。必須機器が持ち運び可能かどうかは重要なポイントです。
④単独で作業が進められる
テレワークは、周囲にメンバーがいないため、集中しやすい環境です。メインとなる業務が単独作業であれば、時間や場所を自由に選べるメリットを大いに実感できるでしょう。
⑤成果物が明確である
納品物を納めることで成果とみなされたり、数値などで成果を可視化できる業務は、テレワークでも評価しやすさが左右されにくく、達成度合いが明確です。一方、動作や表情を目視して評価する必要がある業務や、勤務姿勢など定性的側面が重要な業務は、テレワーク中の評価が難しくなります。
⑥希少スキルが必要な職種
テレワーク可能な職種は住む地域に関わらず仕事ができるため、企業において高度スキルを持つ人材獲得のチャンスと言えます。立地上の事情により希望する企業への通勤が難しい場合でも、プロフェッショナルなスキルを強みにアピールすることで、テレワークを条件に採用される見込みが高まるでしょう。
テレワークを実施する際の企業・雇用者の心得
テレワークは、仕事に合わせて効率化できる環境を選べますが、一歩間違えると生産性が落ちたり、モチベーションが下がったりする可能性もあります。効果的にテレワークを活用するためのポイントを説明します。
1.オンラインでも通用するコミュニケーション能力が必要
顔を合わせて話す場合は、表情や姿勢などから相手の真意を読み解けますが、テレワークではテキストコによるミュニケーションが中心です。お互いの気持ちを推し量ることは難しくなるため、文字の表現方法や返信タイミング、チャット―ツールであればタイムリーにスタンプでリアクションをなど工夫が必要でしょう。
2.集中力を高め、オンオフの切り替えを意識する
周囲の目が無い環境で、メリハリのある働き方をするためには、自身でオンオフをうまく切り替える必要があります。1日の予定をスケジュールなどに登録し、予定通りタスクをこなせるようにしたり、適度な休憩を挟むことで集中力を高めたりすると効果的です。
3.作業環境やセキュリティ対策など自己責任が伴う
セキュリティ意識が欠如している状態でテレワークを実施した場合、情報漏洩の危険性が高まります。セキュリティ事故が起きてしまえば企業は信頼を失い、深刻な経営ダメージを受けるでしょう。
テレワーク中は通信環境やPCの管理など十分に注意を払い、責任を持った行動を取ることが重要です。特に公共の場で仕事をする際は、むやみにWi-fi接続をしたり、荷物から目を離したりしないようにしましょう。
テレワーク可能かつスキルを活かせる職種で自己実現
テレワークに対応したツールの増加や、企業が業務のデジタル化を推進する傾向であることから、テレワーク可能な職種は今後も拡大していく見込みです。職種を選ぶ際は、テレワークに対応しているか以外にも、自身のスキルセットと照らし合わせ、成果を出せる仕事かどうかや、キャリアアップを実現できるかどうかを考えると、自己実現につながりやすくなります。
また、テレワークでは、オフィス以上に自分を律して業務を遂行する力が必要です。最初は週に1日から試してみるなど、テレワークの日数を調整しながら最適なバランスを見極めるとスムーズに移行しやすいでしょう。
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