「テレワークダメ上司」の特徴と、テレワークで求められるマネジメント力とは?
テレワーク環境では部下のコミュニケーション能力だけでなく、上司のマネジメント力も大いに試される。では、マネジメント層はテレワークでどのようなマネジメントを求められているのだろうか。
つなぐマーケティングが、テレワークをしている会社員300人を対象に「テレワークで困ったこと」についてアンケート調査を実施したところ、最も多かった回答が84人で「コミュニケーション・指示・確認がしづらい」だった。
より明確で丁寧なコミュニケーションが求められるテレワークでは、上司のマネージメントスキルが試される。テレワークでも尚、部下から信頼される上司とそうでない上司は、どのように異なるのだろうか?
そこで今回は、部下にストレスを感じさせる「テレワークダメ上司」の特徴を紹介する。
①説明不足でわかりにくい上司
「今の時代の子は扱いにくい」という言葉をよく聞くことがあるが、まず自身に「他人を扱うスキルがあるのかどうか」を問いただす必要がありそうだ。
上司からの指示の内容がザックリし過ぎていて意味が不明だったり、指示の内容の前後の説明が抜けていてわかりにくいという悩みをよく聞くことが多い。作業の背景・理由、どうして欲しいのかなどの指示があれば、自身で考えながらタスクをこなすことができるが、「これをしておいてください」の一言でだけでは作業の全体像が見えず、一体何のために作業をしているのかわからないため、とても効率が悪い。
時代背景が異なる世代と一緒に働くということは、どうしても丁寧な説明が必要になる。コミュニケーション能力の高い部下であれば、自ら質問してきてくれるかもしれないが、マネージメントする側(上司)である以上、わかりやすく、相手の理解度に合わせた説明をする責任がある。
②仕事丸投げ上司
部下のやる気を奪う上司は、説明不足どころか、詳細説明が全くない「仕事丸投げ上司」である可能性が高い。仕事を「任された」のではなく、「丸投げされた」と感じた部下は、嫌なタスクをやらされていると認識してしまうので、モチベーションはもちろん上がらない。
できる上司は、「ここまでは上司が考える範囲で、ここまでは部下に考えてもらう」という線引きをしている。その線引きラインまでしっかり部下に説明しているので、お互いに責任感を持ちながら作業を進めることができる。
③人に頼めない上司
①、②と異なり、部下に気を遣い過ぎてタスクを任せられない上司もいる。
指示のための説明が面倒。または、説明が苦手だから自分でやってしまった方が早いと判断して抱え込んでしまい、最終的にパンクしてしまう上司は、単にマネージメントスキル不足だ。テキストコミュニケーションなどのオンラインのやりとりがメインになるテレワークでは、文章を組み立て説明する必要があり、対面よりも大変に感じるかもしれない。しかし、若手を育てるためには、丁寧に指示出しをして、タスクを任せてみるということが非常に重要だ。
④出社したがる上司
オフィスで仕事をした方が捗る業務もあるかもしれないが、テレワークに慣れないからと過剰に出社したがる上司は煙たがられる。
Zoom会議中、上司が「コロナが落ち着いてきたのでテレワークから出社勤務に切り替えます」一言発した瞬間、部下たちがストレス症状を一斉に示したという体験談がTwitter上で話題を集め、多くの共感を呼んでいた。
ねとらぼ|上司「リモートワークやめます」 → 部下が一斉にストレス反応
確かに、オンラインやデジタルに馴染みの深いZ世代はテレワークへの苦手意識が生まれにくく、温度差ができてしまうのは仕方ないかもしれない。しかし、テレワークを気に入っている社員が多く存在する以上、コロナが落ち着いた後でも選択制にするなど、若手の意見を汲む必要はあるだろう。
また、オンラインだと大切な話ができないという人もいるが、ただ単に、オンラインで大切な話をしたことがないだけなのではないだろうか。
もちろん、出社とテレワークを混ぜたハイブリッドワークスタイルをうまく活用するのも良いと思うが、会って話すべきだという固定概念に囚われず、お互いにとって効率が良いコミュニケーション法を活用しよう。
⑤部下を監視しすぎる上司
オフィス勤務であれば、部下の席を通りかかったタイミングなどでコミュニケーションを取ったり、作業の細かなチェックをすることも可能だったが、テレワークでは工夫が必要だ。
「このタイミングで一度確認をしよう」など事前に設定していれば良いのだが、上司の気分で必要以上に確認の連絡を入れてしまうと、部下は「監視されている」と感じ、ストレスになってしまう。とはいえ丸投げも良くない。
テレワークで求められるマネジメント力とは?
テレワークでは部下の能力や成長度合いを見極め、より的確なマネジメントを行う必要がある。
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人材育成コンサルタント産業カウンセラーの片桐あい氏は、部下の業務の熟成度とアウトプットの量に合わせて、以下のように分類してマネジメントすることをお勧めしている。
A:スター(習熟度 高 / アウトプット 多)
B:職人(習熟度 高 / アウトプット 少)
C:成長株(習熟度 低 / アウトプット 多)
D:未知数(習熟度 低 / アウトプット 少)
Aの「スター」は干渉しすぎると逆効果のため、タスクを任せた後は本人に任せるというスタンスが正解。自らアウトプット(報連相)をしてくれるので、本人のペースを乱さないことが重要だ。
Bの「職人」は与えられた仕事とノルマをやっていれば良いと思いがちで、連絡も自らしてくることは少ない。なので、必然的にアウトプットの量が増える育成関連の業務に携わらせるなどの工夫が必要だ。
Cの「成長株」は何よりも経験させることが重要。自らの失敗も含めて報連相してくれるので、丁寧に対応して、一緒にトライアンドエラーを繰り返してあげよう。
Dの「未知数」は丁寧すぎるくらいコミュニケーションを取る必要がある。パフォーマンス能力もまだ低いので、孤立しやすい。彼らの成長のためには何のトレーニングが必要で、どんな経験をさせたら良いかということをしっかり計画立ててあげる必要がある。
人によっては、担当を変えることにより一時的にパフォーマンス能力が下がったり、テレワークではITリテラシーが低いために、一時的にアウトプット量が下がるということもあるが、部下のタイプに合わせたマネジメントをすれば部下とのコミュニケーションの質は改善していくだろう。
テレワークになったことによって、上司との関係が更に良くなったという部下の声も聞く。上司のテレワークへの理解度が高く、部下の意見もしっかり尊重してくれるから、会うことが減っても上司を信頼し続けることができるそうだ。
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