ハイブリッド勤務のオンボーディング、昇進はどうすべきか
ハイブリッド勤務が今後主流になってくるだろうと多くの人が期待する一方で、新しいメンバーを会社に迎え入れるときに行われるオンボーデディング(新人研修)に不安を抱えるマネージャーも少なくないだろう。
また、完全なオフィス勤務とは違い、細かな管理がしづらくなるハイブリッド勤務では、どのように社員を評価し、昇進を決断すれば良いのだろうか。
この記事では、新しい働き方に合わせたオンボーディングと評価について提案をしている。ぜひ参考にしてみてほしい。
目次
ハイブリッド勤務のオンボーディングを上手に進めるための施策
ここでは、ハイブリッド勤務のオンボーディングを上手に進めるための具体的な施策について提案する。
最初の一ヶ月間が肝。強力なプランを
テレワークの効率の良さ・生産性の高さに気が付いた企業では、遠隔で仕事を行うことに対して幾つかの課題を抱えながらも、この新しいワークスタイルを続行していくことになるだろう。そしてその中でも避けられない課題の一つ、遠隔でのオンボーディング(新人研修)は特に慎重に丁寧に行わなければならない。
<参照>Harvard Business Review|(12 Questions About Hybrid Work, Answered)「ハイブリッドワークについて、12の質問と答え」
上記の記事でも述べられているとおり、新入社員を遠隔でオンボーディングするためには強力な一ヶ月間の計画を立てることが重要である。
一ヶ月間の計画をつくるにはチームの努力が不可欠だ。どんなに仕事ができる社員が入ってこようと、新入社員を一人にしないで欲しい。毎日、社内の他の人と一緒に活動させるのだ。マネージャーは、新人社員のために内部ネットワークを確立させてあげよう。
直属の上司やチームメンバーはもちろん、チームの枠を越えた会社の主要メンバーに紹介することも、社員の会社の中での居場所を作ってあげる上で役立つだろう。新人社員にとって憧れる人や心を開きやすいタイプの人が(チーム外だとしても)会社内に一人存在してくれるだけで、彼らにとっての会社の存在が変わってくる。
質疑応答の機会を定期的に作る
例えば、oviceなどのバーチャルオフィスを活用して、新入社員が気軽に質問することができる「オンボーディングバディ」とのミーティングを定期的に開催してはどうだろうか。
新人社員は特に組織に慣れるまでの間、質問する人を選び、タイミングを慎重に伺い過ぎる傾向にある。これを克服できるかはそれぞれのタイミングと性格次第であり、マネージメント側がコントロールできることは少ない。
とはいえカウンセラーのように、こちらから質問や悩みを引き出すことに長い時間を使うことは難しい。そこで、彼らが質問しやすそうな人を「オンボーディングバディ」として最初の一ヶ月間は定期的なミーティングに参加してもらうのが理想だ。
丁寧すぎるかもしれないが、オンラインでのやりとりは丁寧過ぎるくらいが相手にとって親切に感じられる。
十分なテクノロジー環境があるか、要チェックを
当たり前に感じられるかもしれないが、新入社員にも十分なテクノロジー環境(Wi-fiや必要なデジタル機器など)があるか確認していこう。
また、企業が新入社員のオンボーディングに必要なテクノロジーに投資しておらず、便利なツールを活用していない場合、第一印象が悪くなる可能性が高い。
無駄なストレスを感じる必要のない、仕事のしやすい環境に人が集まる。優秀な社員は特にそうだ。企業にとってテクノロジーは、社員をサポートする主要なツールである。
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ハイブリッド勤務での昇級・出世はどうしたら良いのか
ハイブリッド勤務をうまく機能させるには、マネージャーがこの「新しい働き方」を深く理解する必要がある。
人間はどうしても、直接的に見た情報や、自動的に入ってくる情報に左右されやすい。毎日会っていてる、頑張っている姿を直接見ることのできる部下の方が評価を高くつけがちだ。実際にテレワークで働いている社員には、社内の同僚よりも理不尽に厳しく評価されたり、業績評価が低くなったりするのではないかと心配している人もいるそうだ。
しかし、ハイブリッド勤務でそのような単純過ぎる評価をし続けていれば、組織は終わる。
彼らの行なっている業務が視界から外れても、脳内から外してはいけない。彼らの不安を解消することはマネージャーの義務であると言える。
具体的にどのように評価するのか
オフィス勤務とテレワークによる評価の差をなくし、公平に社員を育成して昇進させていくという流れが大切だ。
そしてその評価が公平・適切である限り、職場の人間関係や職務遂行能力に悪影響を与えることはないだろう。
テレワークの評価には、①結果、②チームワーク力、③個人の成長度合いに注目し、目標を設定する必要がある。
①結果
彼らが結果を出しているかどうかは、「期待される目標を達成しているかどうか」を評価する。言い換えれば、何を期待されているのかを相互理解しておくという作業が重要である。
②チームワーク力
チームワーク力は彼ら個人がグループの一員として機能しているかを確認する。グループの中で責任を持ち、一緒に作業する方法を学ぶということは、今後のハイブリッド勤務を円滑に行う上でも極めて重要になってくるだろう。
③個人の成長度合い
最後に、チームの一員としての個人の成長を見る。
チームメンバーが成長し、知識を広げ、新しいスキルを習得し、新しい視点を学ぶ機会が提供されたとき、彼らの仕事に対する満足度は高まる。そして彼らはより有能になるだろう。
以上の3つの目標を明確に設定する。そしてマネージャーは、すべてのタスクを細かく管理するのではなく、結果に応じた指導、および評価する必要がある。
リモートであっても、的確なオンボーディングと評価ができれば、今まで以上に有能な社員を育て、企業を強くすることは可能である。
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