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テレワークを廃止するのはなぜ?日本企業の現状や従業員への影響とは

働き方改革やコロナ禍による影響でテレワークが普及し、人々の働き方は大きく変わりました。しかし2023年以降、国内外の企業でテレワークの縮小や廃止のトレンドがおき、出社回帰(RTO: Return To Office)の動きが見られました。

とくに、アメリカのAppleやAmazon、Googleなどの大手企業が出社を義務づける考えを示し、話題となりました。

この記事では、企業がテレワークを廃止する理由や廃止による影響、テレワークの廃止前に企業が検討すべきポイントなどを解説します。テレワークの継続を悩んでいる企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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【2023年の実施率】日本企業でテレワークは廃止される傾向に

公益財団法人日本生産性本部が発表した「第13回 働く人の意識に関する調査」によると、2023年7月におけるテレワークの実施率は15.5%と、調査開始から過去最低であることが判明しました。2020年5月の31.5%からは、約半分に落ち込んでいます。

テレワークの実施率

2023年7月:
テレワークを行っている15.5% テレワークを行っていない84.5%
2023年1月:
テレワークを行っている16.5% テレワークを行っていない83.2%

2022年10月:
テレワークを行っている17.2% テレワークを行っていない82.8%
2022年7月:
テレワークを行っている16.2% テレワークを行っていない83.8%
2022年4月:
テレワークを行っている20% テレワークを行っていない80%
2022年1月:
テレワークを行っている18.5% テレワークを行っていない81.5%

2021年10月:
テレワークを行っている22.7% テレワークを行っていない77.3%
2021年7月:
テレワークを行っている20.4% テレワークを行っていない79.6%
2021年4月:
テレワークを行っている19.2% テレワークを行っていない80.8%
2021年1月:
テレワークを行っている22% テレワークを行っていない78%

2020年10月:
テレワークを行っている18.9% テレワークを行っていない81.1%
2020年7月:
テレワークを行っている20.2% テレワークを行っていない79.8%
2020年5月:
テレワークを行っている31.5% テレワークを行っていない68.5%
▲テレワークの実施率 出典:公益財団法人 日本生産性本部|第 13 回 働く人の意識に関する調査

 

なお、同調査は企業や団体に雇用されている20歳以上の労働者1,100名を対象に実施しています。

これまで、テレワークは大企業や中規模企業を中心に実施されていました。しかし、大企業の実施率が下がったことが原因で、前回の2023年1月の調査よりも10ポイント以上の低下をもたらしたと報告されています。

企業がテレワークを廃止するのはなぜ?5つの理由を紹介

企業がテレワークを廃止する傾向にある理由として、主に次の5つが考えられます。

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

①感染症対策としての暫定措置であったため

一つ目の理由として、テレワークが感染症対策の暫定措置として導入されていた点が挙げられます。

感染拡大を防止するには密集を避ける必要があったため、オフィス勤務の代わりに在宅勤務が実施されていました。

しかし、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置が2022年3月下旬に解除。2023年5月には「5類感染症」になり、季節性インフルエンザと同じ扱いになりました。

新型コロナウイルスの分類も変わり生活が通常に戻るなか、テレワークを廃止して再び出社を求める動きが出ています。

②コミュニケーション不足を解消するため

テレワークの課題である「コミュニケーション不足」を解消するために、テレワークを廃止する動きもあります。

テレワークでは、非対面によるコミュニケーションが中心です。非対面では上司や部下、同僚の気持ちを汲み取りづらかったり、会話が減ることによって孤独を感じやすかったりなど、様々な課題が生まれました。

管理面でも、チームの進捗状況や社内情報の把握が難しいという課題も散見されました。

そのような課題に対処するために、オフィスで顔を合わせて業務を遂行する方が好ましいと判断する企業も存在します。

③会社への帰属意識が低下するため

出社する機会が減少し、会社と距離感が生まれて帰属意識の低下が懸念されている点も、テレワーク廃止の理由の一つとして挙げられます。

次のデータは、2023年に日経BP総合研究所イノベーションICTラボが実施した調査です。

「2020年より前と比べて、勤務先への帰属意識はどのように変化しましたか」の調査結果の円グラフ

強まった:5.4%
変化はない:68%
弱まった:23.7%
わからない:2.8%
▲2020年より前と比べて、勤務先への帰属意識はどのように変化しましたか 出典:さらば愛社精神、4人に1人が在宅勤務で「心」もオフィス離れ|日経XTECH

同調査によると、テレワークの普及によって約2割(4人に1人)が「帰属意識が弱まった」と回答していたことがわかりました。対して、「帰属意識が強まった」と答えたのは5.4%に留まっています。

会社への帰属意識が低下すると、従業員のエンゲージメントや人材定着率の悪化が懸念されます。

④人事評価が難しくなるため

テレワークでは、人事評価が難しくなる傾向にあります。オフィス勤務のように、業務プロセスや勤務姿勢をうまく把握できないからです。

従業員もテレワーク時に上司から公平に評価してもらえるか不安を感じるなど、人事評価に関する課題を抱えています。

従業員が健全にキャリアを発展させ、企業も公平な人事評価を実施するためにも、テレワークではなくオフィス勤務が求められているのです。

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⑤生産性の低下が懸念されるため

在宅勤務の場合、生産性の低下が懸念されています。

自宅の作業環境に問題があったり、プライベートと仕事の境界線を作るのが難しくなったりして、パフォーマンスが落ちるケースが見られるからです。

しかし、テレワークが必ずしも生産性の低下に直結しているとは言い切れないこともあります。2023年に、oVice株式会社が大企業のハイブリッドワーカー109名に実施した勤務形態に関する実態調査を見てみましょう。

「出社が増えたことで、業務の生産性はどのように変化しましたか」の調査結果の円グラフ

・とても下がった:5.5%
・やや下がった:20.2%
・変わらない:40.4%
・やや上がった:30.3%
・とても上がった:2.8%
・わからない/答えられない:0.9%
▲出社が増えたことで、業務の生産性はどのように変化しましたか 出典:【出社が増えた大企業社員に調査】75.3%が「出社の意義を感じる」、一方で78.0%が「ストレス増加」と回答|PR TIMES

調査結果によると、7割以上が「出社に意義を感じている」と回答する一方、6割以上が「出社が増えても生産性は上がらない」と回答していたことがわかりました。

この調査を参考に、どのような理由でテレワークを中止しようとしているのか、企業は慎重に判断する必要があるといえるでしょう。

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テレワークの廃止による影響

企業が一度は導入したテレワークを廃止すると、どのような影響が出るのでしょうか。

ここでは、次の3つの影響を紹介します。

仕事へのストレスが増える可能性がある

まず、テレワークの廃止によって、従業員が抱える仕事のストレスが増える可能性が考えられます。

2023年に実施したoVice株式会社の調査でも、8割近くの方が「出社が増えることでストレスも増えた」と回答しました。

「出社が増えたことで、仕事へのストレスは増えたと思いますか」の調査結果の円グラフ

・非常にそう思う:32.1%
・ややそう思う:45.9%
・あまりそう思わない:18.3%
・全くそう思わない:2.8%
・わからない/答えられない:0.9%
▲出社が増えたことで、仕事へのストレスは増えたと思いますか。 出典:【出社が増えた大企業社員に調査】75.3%が「出社の意義を感じる」、一方で78.0%が「ストレス増加」と回答|PR TIMES

ストレスが増えた主な理由としては、通勤時間の増加や、ランチ代・交通費などの支出増加、プライベートの時間減少などが挙げられています。

この調査は、出社とテレワークを組み合わせたハイブリッドワーカーを対象としているため、フルタイムで出勤しているわけではありません。

それでも、出社によるストレスの増加が顕著に表れています。テレワークが完全に廃止されると、従業員のストレスはさらに増幅する可能性があるといえるでしょう。

従業員のワークライフバランスの両立が難しくなる

テレワークが廃止されて原則出社になると、従業員のワークライフバランスの両立が難しくなる恐れがあります。

とくに育児や家事と仕事を両立できなくなり、従業員の負担増加が懸念されています。

出社で通勤が必要となると子どもの送迎ができなくなったり、通勤に時間がかかることで実働時間が減ったりする点が課題です。

また、出社してしまうと隙間時間に家事ができなくなり、家事の負担が増加する恐れがあるでしょう。

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退職者が増える可能性がある

テレワークの全面的な廃止は、ワークライフバランスを求める従業員が転職を検討するきっかけになるかもしれません。

テレワークからオフィス勤務へ移行する理由を十分に説明できなければ、納得できない従業員は退職し、離職率が高まるリスクがあります。

テレワークを廃止する前に検討すべき3つのポイント

テレワークを完全に廃止すると従業員にストレスを与えるなどの弊害があるため、テレワークの継続・廃止については慎重に判断する必要があります。

ここでは、テレワークの廃止前に考えるべきポイントとして、次の4つを紹介します。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

従業員の状況を確認する

テレワークの廃止を検討する際は、従業員の状況を確認しましょう。

「テレワークの継続を希望するか」「継続するとしたらテレワークの課題は何か」「廃止したら何に困るか」など、従業員の声を集めて調査します。

アンケートを取り、従業員の声を分析した上で判断することが重要です。

ハイブリッドワークを検討する

完全にテレワークを廃止するのではなく、テレワークと出社を組み合わせた「ハイブリッドワーク」に移行するという手段もあります。

いきなりテレワークを廃止するよりも、ハイブリッドワークを採用することで柔軟な働き方を継続できないか検討してみましょう。

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コラボレーションツールを見直す

コラボレーションツールの見直しで、テレワークにおける課題を解決できる場合もあります。

テレワーク時の大きな課題として、社員同士のコラボレーション不足が挙げられます。同僚や上司の勤務状況を把握しづらいことで話しかけにくくなり、孤独感を抱く従業員も少なくありません。

そのようなコラボレーションの課題解消には、バーチャルオフィスツール「ovice」が効果的です。

oviceは、アバター同士が交流しながら働く2次元のオフィスです。アバターが近付く距離に応じて聞こえる声の音量も変化する機能などもあり、実際のオフィスで働いているような体感が得られます。

アバター同士の自然な交流によって、従来のチャットやビデオ会議ツールでは難しかった、気軽なコミュニケーションがテレワークでも実現できます。

oviceについて、ぜひ下記のページより詳細をご確認ください。

oviceの特徴や機能について詳しく見る

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出社したくなるオフィスを作る

テレワークの廃止や縮小でオフィスへ出社する割合が増える場合、従業員が出社したくなるオフィス作りを事前に検討することが大切です。

例えば、フリーアドレスの導入やリフレッシュルームの増設が挙げられます。従業員のストレスが軽減され、部署を超えたコミュニケーションが活発化するオフィス作りを目指すと良いでしょう。

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【注意】テレワークを廃止するのは違法?

雇用契約書(労働契約書)や就業規則にて、従業員と企業間で「テレワーク勤務」や「出社不要」に合意がある場合、テレワークを勝手に廃止することは違法です。

労働契約法9条には、次の内容が記載されています。

“使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。”
出典:厚生労働省|労働契約法

従業員の同意がないままテレワークを廃止することは法令違反となってしまうため、注意しましょう。

なお、企業が就業規則を変更する際は、合理的な変更でなければ認められません。自社がどのように判断すべきかは、弁護士などの専門家と相談することをおすすめします。

まとめ

テレワークを廃止するかどうかは、多くの企業で課題となっています。従業員の働くモチベーションを損なわないよう、現状を把握しながら慎重に判断することが大切です。

テレワークを継続する場合、社内のコミュニケーション不足を解消する手段として、バーチャルオフィスツール「ovice」の活用をおすすめします。

oviceでは、テレワークでも実際にオフィスにいるかのような感覚で気軽にコミュニケーションが取れます。ちょっとした確認やカジュアルな社内会話が実現するので、テレワークによるコミュニケーション不足の課題に悩んでいる場合は、ぜひ検討してみてください。

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