バーチャルオフィス(または「仮想オフィス」)とは、バーチャル=仮想という単語から想起されるように、「物理的な執務スペースではない形態」のオフィスです。一般的には、インターネットおよびクラウドサービスを通じて提供されるオンライン上のオフィス、バーチャル空間内のオフィスです。
この記事では、バーチャルオフィスの意味、メリット・デメリットをわかりやすく紹介します。バーチャルオフィスを活用すると、新しい働き方や起業方法も実現できます。
目次
バーチャルオフィスとは何?2つの意味をわかりやすく紹介

バーチャルオフィスには、主に次の2つの意味があります。
- オンライン上の執務スペースとしてのバーチャルオフィス
- 執務スペースや住所などの情報をレンタルするサービスとしてのバーチャルオフィス
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
オンライン上の執務スペースとしてのバーチャルオフィス
一つ目の意味のバーチャルオフィスとは、インターネットおよびクラウドサービスを通じて提供される仮想の執務空間です。
これまでの働き方は、企業が自社所有ないし賃貸の執務スペースを取得し、そこに従業員が出社して、互いにコミュニケーションし、コラボレーションしながら業務を遂行していました。こうした物理オフィスに対し、バーチャルオフィスでは、執務スペースが2次元や3次元で表現されます。

従業員はオンライン上に開設された企業のための仮想空間にログインすることで、「バーチャル出社」します。仮想空間には「アバター」と呼ばれる自己の代理が存在します。その空間に集まった従業員同士もアバターとして表現されます。そして、自分のアバターを操作して同僚に近づき、コミュニケーション、コラボレーションします。
バーチャルオフィスは、テレワークの一般化とともに普及しました。また、外出先や出張先からのコラボレーションだけでなく、出社とテレワークを組み合わせるハイブリッドワーク、あるいはワーケーションや地方移住など、従業員それぞれの働く場所に自由をもたらすことで、ワークライフバランス向上に役立てる用途での需要も見られます。
バーチャルオフィス、メタバース、デジタルワークプレイス
仮想空間を指す言葉として「メタバース」(Metaverse)があります。メタバースという概念自体は、アメリカの小説家であるニール・スティーヴンスン氏が1992年に原書を出版した『Snow Crash』という作品が初出と言われています。
<参照>
Neal Stephenson | Snow Crash
このメタバースは、XR(拡張現実)などの新たなテクノロジーとの関連から、近年ふたたび注目されました。そのため、バーチャルオフィスは「メタバースオフィス」とも呼ばれます。
また、バーチャルオフィスという言葉に似た概念として、デジタルトランスフォーメーションの文脈でも使われ、デジタル技術を働く環境に活用することで、従業員のパフォーマンスやライフスタイルを変革するための方法として「デジタルワークプレイス」(digital workplace: DWP)とも呼ばれます。
「レンタルオフィス」としてのバーチャルオフィス
二つ目の意味のバーチャルオフィスとは、物理的な執務スペースを貸し出すレンタルオフィスサービス、あるいは、物理的な執務スペースすらなく住所や電話番号などの会社登記上必要となる情報をを貸し出すサービスを指します。郵便物の受け取りや電話番号の提供、会議室の利用なども含まれます。
レンタルオフィスは、複数の事業者と住所を共有するケースが多く、賃貸物件のオフィスよりも安く一等地の住所を使用することも可能です。
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オンライン上の執務スペースとしてのバーチャルオフィスのメリット・デメリット
バーチャルオフィスには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。まずは、オンライン上にバーチャルな執務スペースを提供するタイプのバーチャルオフィス(仮想オフィス)について、メリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット | ・社員とコミュニケーションが取りやすい ・居住地を問わない採用が実現でき、優秀な人材を確保できる可能性が広がる |
デメリット | ・法人登記や契約の際は、実際の住所が必要になる ・導入しただけでは、社内で定着しない可能性がある |
オンライン上の執務スペースとしてのバーチャルオフィスのメリット
オンライン上の執務スペースとしてのバーチャルオフィスの最大のメリットは、バーチャル空間に集まった他のメンバーに気軽に話しかけられるので、物理的な働く場所に依存することなく、円滑なコミュニケーションが取れる点です。
また、社員がどこに住んでいても働けるということは、勤務地という制約がなくなることになるため、採用の幅が広がり、優秀な人材の確保が期待できます。メンバーの出勤状況の可視化や、業務進捗管理が行いやすくなる点もメリットです。
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オンライン上の執務スペースとしてのバーチャルオフィスのデメリット
デメリットとして、バーチャルオフィスで得られるのは仮想の執務スペースだけであり、法人登記や契約の観点では、さらに物理的な住所も必要、という点が挙げられます。デジタル時代の現代ですが、バーチャルオフィスによって実務上の執務スペースは確保したとしても、登記上はアナログな「本社所在地」として物理的スペースの用意が求められるのです。
またバーチャルオフィスを導入しても、ただ用意しただけでは、従業員が定常的に利用するようになるとは限りません。バーチャルオフィスの運用方法や利便性について、社内でしっかり共有することが重要です。
レンタルサービスとしてのバーチャルオフィスのメリット・デメリット
次に、レンタルサービスとしてのバーチャルオフィスのメリット・デメリットを、詳しく見ていきましょう。
メリット | ・バーチャルオフィスの所在地を、法人口座の開設、法人登記、契約などに使える ・初期費用を抑えられる・短期間で導入できる |
デメリット | ・住所の貸し出しのみの場合、物理的な執務スペースは提供されない ・レンタルオフィスの住所では、開発や融資の条件を満たせず、事業を進められない可能性もある |
レンタルサービスとしてのバーチャルオフィスのメリット
レンタルサービスとしてのバーチャルオフィスを利用すると、その所在地を、法人口座の開設、法人登記、契約などの手続きに使うことができます。例えば自宅でスモールビジネスを始める場合、自分の住所を公開せず、法人のイメージ維持やブランディングができる点がメリットです。
またレンタルサービスのバーチャルオフィスは、敷金や礼金、設備などの初期費用を抑えながら、短期間でスムーズに導入できます。その住所に荷物や郵便物が送られてきても、転送サービスがあれば安心です。
レンタルサービスとしてのバーチャルオフィスのデメリット
住所などの情報のみをレンタルするサービスでは、執務スペースが提供されません。従業員が対面で集まる場合は、貸し会議室やコワーキングスペースなど、場所を別に用意する必要がある点がデメリットです。
また、レンタルオフィスの住所では、開業や融資の条件を満たせず、事業を進められない場合があります。業種によっては物理的なスペースが必要でしょうし、金融機関が物理的なオフィスがあるかどうかを求める場合もあります。
2種類のバーチャルオフィスを組み合わせた新しい働き方や起業方法

ここまで、2種類のバーチャルオフィスの意味やメリット・デメリットを解説してきました。
住所などの情報のみをレンタルするバーチャルオフィスは、事業所在地はありますが、従業員が集まっる執務スペースは別途用意する必要があります。レンタルオフィスは、執務スペースを確保できますが、設備コスト、従業員の通勤コストなどがかかります。
オンライン上の執務スペースとしてのバーチャルオフィスを導入すれば、各メンバーは好きな場所にいながら、ネットワーク経由でオンラインの執務スペースに集まって一緒に仕事ができます。
そのため、レンタルサービスの住所で登記して、従業員はオンラインのバーチャルオフィスで働けば、設備コストや通勤コストなどを抑えながら、ひとつの組織として効果的に活動することが可能になるのです。
バーチャルオフィスの導入なら「ovice」がおすすめ
バーチャルオフィスツール「ovice(オヴィス)」は、従業員は物理的に自由な場所から働くことができ、離れていてもメンバー同士の交流を促すことのできる、2次元のバーチャルオフィスです。
バーチャルの世界にいながら、実際に顔を合わせているような感覚で気軽な雑談やコミュニケーションを楽しめます。oviceにはオンラインでのコミュニケーションを最大化する機能が多数あり、代表的な機能は次の通りです。
oviceの代表的な機能 | 説明 |
声の指向性 | 相手のアバターに近づくと音声が大きくなる機能 |
ミーティングオブジェクト | 音声通話、ビデオ通話が即座に行える機能 |
会議室 | 個室環境で、鍵をかけてセキュリティを担保しながら会話できる機能 |
チャット | チャットの送受信や、URLの共有、ファイルの送信が簡単に行える機能 |
肩ポン | 「トントン」という音と共にチャットを相手に送ることで、会話が始めやすくなる機能 |
画面共有 | 他のユーザーへ、画面全体またはウィンドウの表示内容を共有する機能 |
文字起こし | 会話をリアルタイムでテキスト化し、議事録の作成、他の言語へ翻訳する昨日 |
これらの機能を活用することで、チームにおけるコミュニケーション強化と生産性向上が期待できます。さらにoviceではメンバーの動きが可視化されるため、テレワークにおける組織としての一体感も向上します。
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まとめ
バーチャルオフィスには、主に「オンライン上の執務スペース」と「レンタルサービス」という2種類があります。そのふたつを組み合わせると、起業時でもスムーズにチームが集まる場所を準備でき、新しい働き方を実現できます。
柔軟な働き方を模索したい場合は、ぜひバーチャルオフィスツール「ovice」の導入を検討してみてください。