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オンライン採用のメリットとは?注意点や便利なツールも解説

長引くコロナ禍で、働き方だけでなく採用のあり方も変化が問われています。

特に最近注目されているのがオンライン採用。遠方からでも参加でき、手軽に採用活動ができるようになりました。

一方で、オンラインならではの注意点があるのも事実。そこで今回は、オンライン採用の注意点や採用に便利なツールをご紹介します。

目次

オンライン採用の実態

コロナ禍で業務のオンライン化が進み、ミーティングや商談、イベントもWeb会議ツールなどで実施することが当たり前になりましたが、採用活動も例外ではありません。日本国内でどの程度普及しているのかや、オンライン化による効果について解説します。

コロナ禍で拡大した「オンライン採用」とは

オンライン採用とは、採用活動の一部またはすべての工程をオンラインで実施することです。企業は、求人広告の出稿や会社説明会の開催、適性検査や筆記試験、面接などの選考ステップを踏みながらんで人選を決めていきますが、とりわけ面接は対面で実施するのが常識とされていました。

しかし、「非対面」の形態は、安全な採用活動を実現できる方法の一つであり、徐々に浸透しつつあります。求人掲載においても「オンライン面接可」や「選考はオンラインで実施」など、オンライン採用をアピールする企業が増加しているようです。

企業の約8割がオンライン採用を「導入済み」もしくは「導入予定」

Indeedの調査によると、企業全体の77%が採用フローのオンライン化を導入済み、もしくは導入を予定していると回答しています。

中でも大企業では約92%が導入し、面接のオンライン化も55%に上るなど、オンライン採用の普遍化が進んでいます。

一方で、中小企業はシステムやツールの整備にかけるリソース不足などの要因により、後れを取っている模様です。

導入企業が実感した効果は「応募者の増加」が最多

同調査では、導入企業の約76%がオンライン採用でプラスの効果を感じており、最も多い意見として「応募者の増加」、次いで「採用活動にかかる時間・費用・稼働削減」が挙げられています。

求職者のオンライン採用を希望する声も、2020年の時点で3年前に比べ40倍以上に急増しています。

<参照>Indeed|「人材採用プロセスのオンライン化」に関する調査」

オンライン採用のメリット

オンライン採用を導入することで企業が得られるメリットについて解説します。

【メリット1】遠方の人材にもアプローチしやすい

オンライン採用は、応募者が場所や時間の制約を受けずに参加できるため、遠方の人材や多忙な人材へのアプローチに効果的です。たとえば、会社説明会やオフィス見学を動画で視聴可能にしたり、オンラインツールで面接に対応したりすることで、対面ではリーチできていなかった層も網羅しやすくなります。全国各地の多様な人材に対し、採用活動を進められるようになり、母集団を形成しやすくなるでしょう。

【メリット2】面接会場の準備や移動にかかるコストを削減できる

従来の採用活動では、各種イベントや面接を実施するための場所を確保する手間や、会場費用、交通費などが発生していました。また、応募者に対する案内板の設置や資料の配布など、会場設営のための細かい作業も必要でした。

オンラインでは物理的な会場を使うことなく採用活動が可能なため、会場準備にかけていたコストを削減できます。

【メリット3】選考スピードが上がる

オフラインの場合、応募者が多ければ多いほど日程調整や試験採点など採用担当者の負担がかかり、人的リソースが膨らみがちです。一方、オンライン面接であれば応募者はスケジュールを合わせやすくなり、日時確定がスムーズになるでしょう。また、適性検査や筆記試験のオンライン化は集計や評価を効率化できます。

選考期間の短縮化は、複数企業の選考を進めている応募者が辞退するリスクの回避にもつながります。

【メリット4】録画で振り返りができ面接を改善しやすい

面接は企業と応募者がお互いを知る重要なステップですが、面接を機に志望度が下がってしまうケースも多いようです。エン・ジャパンの調査によれば、求職者の8割以上が「面接により入社意欲が低下したことがある」と答えています。

採用担当者は企業の顔であり、面接での発言がもたらす影響力は大きいでしょう。優良人材を逃さないためにも、面接スキルを向上させることが大切です。オンライン面接を録画することで、周囲がフィードバックできたりノウハウを共有しやすくなります。

<参照>エン・ジャパン|求職者に対するアンケート

オンライン採用のデメリット

続いて、オンライン採用で懸念されるデメリットについて説明します。対面に比べ、応募者と採用担当社の距離が縮まりにくく採用後のミスマッチに至るケースもあるため、注意が必要です。

【デメリット1】表情や志望度を読み取りづらい

オンラインでの説明会や面接では、画面越しでしか顔を合わせないため表情を読み取りにくかったり、姿勢が固まりやすく、ジェスチャーが取りづらかったりします。伝えられる情報量が少なくなることで、採用担当者は応募者の人となりが見えづらく、応募者は実感が沸きづらくなる可能性があります。

選考を完全にオンライン化するのではなく、最終面接は対面で実施するなど、リアルと組み合わせるのも良いでしょう。

【デメリット2】働き方や社風など企業理解を深めづらい

オフラインの採用では、筆記試験や面接などでオフィスに足を運ぶ機会があるため、応募者は会社の様子や規模、社員の雰囲気を肌で感じられますが、オンラインではオフィスに来ることなく内定まで進みます。このため、応募者は入社後に働いている自分を想像しづらかったり、入社の決断がしづらかったりするでしょう。

企業にとっても、オンライン採用で優秀な人材と判断したにもかかわらず、いざ採用してみるとギャップがあり、期待通りにいかないケースもあります。

オフラインと同じ考え方で進めた場合、人材のミスマッチが発生しやすくなる可能性があるため、来社の機会を設けたり、アンケートで応募者の声をヒアリングするなど、追加施策を検討するのも良いでしょう。

【デメリット3】集団面接やグループディスカッションを取り入れにくい

大学の授業がオンライン化されたり、便利なWeb会議ツールが広く使われていることから、応募者のオンライン面接に対する抵抗は大きくないでしょう。しかし、応募者によって操作習熟度にばらつきがあるかもしれません。

オンラインでも集団面接を開催する場合は、スムーズにいかないリスクがあることを前提に準備しておきましょう。個人面接に比べ、採用担当者側も運用の負担が増します。

【デメリット4】通信環境によるトラブルのリスクが伴う

オンライン面接の際、多くの応募者は自宅の通信環境を使い参加するため、画像や音声の品質が不安定になることもあるでしょう。面接が中断してしまったり長時間化してしまうなどのリスクを念頭に置き、電話やチャットなど代替手段を準備すると安心です。また、応募者に対し、通信機器のスペックやPCの操作について予め注意事項を伝えておくのも有効です。

オンライン採用のために必要な準備

対面式からオンラインへ移行する際は、どのイベントをオンライン化するのかの取り決めや、運用方法の整理、面接対応者への教育などが必要です。

①オンラインと対面のバランスを決める

オンライン採用を導入するには、最初にどの工程をオンライン化するか決める必要があります。すべてをオンライン化するフルリモート式か、説明会や面接など部分的にオンライン化するかで、準備すべきものや選考スピードが異なります。

また、応募者の住む地域に応じて選択式にするのも良いでしょう。オンラインの利点や懸念点を理解した上で、より多くの優秀人材を確保するための最適なバランスを見出します。

②使用するツールやサービスを選定する

オンライン化するイベントが確定したら、実践するための手段を検討します。オンラインツールやサービスは多種ありますが、参加人数や資料共有の有無、接続時間などを考慮し、最適な種類や料金プランを選ぶと良いでしょう。

チャット機能で応募者からの質問に答えたり、PCのコンテンツを柔軟に共有できたりとオンラインツールならではの利便性をうまく活用し、会社の魅力を充分に伝えられると、応募者の満足度も上がり効果的です。

③面接官のオンライン面接スキルを上げる

オンラインでは相手の表情や気持ちが汲み取りにくい傾向のため、説明者や採用担当者は、高いコミュニケーションスキルが必要です。傾聴する姿勢だけでなく、不快感を与えない話し方や伝わりやすい表現を意識します。

事前にシミュレーションをし、第三者の目でチェックすると改善が期待できます。また、Web会議ツールの操作やパソコンの設定など、一定レベルのITリテラシーも必要でしょう。何かあっても慌てないように、知識を養っておきましょう。

オンライン採用を始めるために押さえておくべきポイント

オンライン採用における懸念点を踏まえ、成功させるためのポイントを3つ紹介します。

ポイント1 安定した通信環境を確保しておく

企業側の通信環境により進行が滞ることの無いよう、安定した接続ができる環境かどうかや、充分なスペックを備えた機器かどうかを事前に検証しましょう。また、画面の明るさやカメラの向きなど、細部も漏れずチェックします。

ポイント2 応募者側の準備時間を確保する

採用イベントが決められた時間に開始できるよう、事前に設定すべき内容や当日の操作方法は、余裕を持って応募者に伝えましょう。同日に複数面接を実施する際は、接続不良などで面接時間が前後することを踏まえ、予備時間を含めたスケジュールにしておくと安心です。

ポイント3 本音を引き出すための質問を用意する

オンライン面接では、Web会議などのツールにログインすると即座に始まるため、応募者が戸惑ってしまう可能性があります。また、対面に比べ相互の距離を縮めづらく、応募者側は遠慮して質問しづらかったり、主張しづらくなったりする可能性があります。

応募者が本来の能力を発揮し、強みをアピールできるよう、面接官は最初にアイスブレイクで緊張をほぐしたり、発言に対するリアクションを大きく取り、話を引き出したりすると良いでしょう。

オンライン採用に便利なツールとおすすめ機能

普及率が高く、企業側・応募者側双方が使い慣れているWeb会議ツールや、会社の雰囲気や魅力をアピールできるバーチャルオフィスツールなど、オンライン採用にぴったりのツールは多種あります。企業側が適材を選びやすいかや、応募者側が企業理解をしやすいかなど、採用活動で重視すべき観点に合わせて選ぶと良いでしょう。

1.「Zoom」

ZoomはWeb会議の代表的なサービスであり、操作も簡易なため、応募者も躊躇なく使いこなせるでしょう。ブレイクアウトルーム機能を使えば、応募者をグループに分けられるため、会社説明会や社員との交流会、グループ面接などに便利です。

2.「インタビューメーカー」

インタビューメーカーはオンライン面接や説明会に特化したシステムで、面接内容の自動録画や面接官同士のチャット機能など、安定した進行をサポートします。また、採用管理機能を備え、応募者ごとに選考状況や評価結果などを可視化できます。

3.「ovice」

バーチャルオフィス「ovice」を使って、仮想空間に「採用メタバース」を立ち上げることができます。採用メタバースは自由にデザインをカスタマイズできます。カスタマイズしたレイアウトにより、自社のブランドを体現した空間の中で採用活動を進められます。

応募者はアバターとして採用活動のためのメタバース空間にログインします。これにより実際にオフィスへ行かなくても職場の雰囲気を体感できるだけでなく、採用イベントへの参加を通じて企業への愛着を深められます。

会社に興味を持った段階から入社後のオンボーディングに至るまでのメタバースでの体験は、応募者の帰属意識を向上させ、選考途中の辞退や入社後のモチベーション低下を防止にも役立ちます。

<参考>“働き方”の変化にあわせたバーチャル空間で行う新しい採用活動「採用メタバース」の運用を開始|PR TIMES

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