GWが明けた頃から、多くの職場で見られる「5月病」。なんとなく体調が悪い、仕事に集中できないと訴える方が増え、放っておくとメンタル疾患による休職や離職に繋がる恐れもあります。昔は「甘え」だと思われていた5月病ですが、近年はストレスによる病気の初期症状として捉えられるようになりました。
今回は5月病について、その原因や対策について参考になる記事とともに紹介していきます。自分で5月病を予防するのはもちろん、同僚や部下が5月病になるのを防ぐためにも役立つと思うので、ぜひご覧ください。
目次
アイデア①これってストレス?環境や習慣を見直してみよう
昔は5月病の原因と言えば、長期休暇による気の緩みだと思われていましたが、現在はストレスが原因で引き起こされるというのが定説です。普段からストレスを自覚して発散できている人は大きな心配はないかもしれませんが、知らずにストレスを溜め込んでいる方もいます。
たとえば「仕事に慣れていない人」や「コミュニケーションを重視している人」は、気づかぬうちにストレスを溜め込んでいるケースが少なくありません。早く仕事に慣れようと焦る気持ちや、思うようにコミュニケーションがとれないテレワーク環境が、気づかぬうちにストレスの引き金になってしまいがちです。
➤詳しくはこちらから…テレワークでメンタル不調になりやすい人は?ストレスの原因や対策を紹介
仕事へのやる気はあるのに「なんとなく食欲がない」「眠りが浅い」と感じている方は、5月病の前兆かもしれません。症状が悪化して5月病になる前に、働き方を見直してストレス対策をしてみましょう。
経営者やマネージャーの方は、社員や部下が5月病にならないよう、働く環境を整えてあげることも重要です。役職や置かれている状況によっても、ストレスの原因は変わるため、それぞれ対策を行いましょう。
たとえば、子育てや介護など仕事以外にやるべきことがある人は、自分のための時間が取りづらいことでストレスを感じている傾向があります。勤務時間に融通がきくフレックス制や時間休を取り入れることでストレスの軽減に繋がるでしょう。
あるいは、仕事に慣れてない方のストレスは、上司が適切な距離で見守りアドバイスする環境をつくることで対策できます。テレワーク環境でも、バーチャルオフィスを活用すれば、オフィスに出社した時のようなサポートができるでしょう。
また、ワンルームでテレワークをしている方は、仕事とプライベートを区別しにくくストレスを溜めがちです。サテライトオフィスを用意するなど、快適に働ける場所のサポートも重要になります。
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アイデア②「バーンアウト」=燃え尽き症候群 その原因から、働き方の改善策を考える
バーンアウトとは燃え尽き症候群のことで、大きなプレッシャーから開放された後に、過剰な心的ストレスの反動で無気力になる状態のこと。長期休暇がきっかけとなって起きる5月病のタイミングでも要注意です。
働き方改革の一環として推奨されてきた「テレワーク」ですが、やり方によっては大きなストレスとなっており、これがバーンアウトの原因のひとつになっているとも考えられます。たとえばオンライン会議はリアルに比べて相手の雰囲気を読み取るのに集中力を要し、リアルの会議よりも高い集中力が必要になります。
そんな状態を一日に何度も繰り返す日が続けば、精神的に疲労するのは不思議ではありません。特に新年度は新しい環境に慣れない中で、頻繁にコミュニケーションが必要とあり、ストレスが溜まりやすい時期。ストレスが絶頂に達した時に長期の休暇を挟むことでバーンアウトになりやすくなるのです。
➤詳しくはこちらから…テレワークによって起こる「バーンアウト(燃え尽き症候群)」を防ぐには
そのような事態を避けるためにも、できる限り従業員を緊張させない工夫が必要です。たとえば「カメラオンを強要しない」は有効な手段のひとつです。
一方で、カメラオンをしないコミュニケーションを原則に在宅勤務が続けば、コミュニケーション不足のリスクもあります。しかし出社をルールにし、一律に対面での勤務を求めることは、従業員の心理に必ずしも良い影響は与えません。従業員にとって、在宅勤務にはタスクに集中して取り組めたり、家庭の仕事にすぐとりかかれたりといった点はメリットです。
例えば、バーチャルオフィスを活用して出社した人も在宅の人も変わらずにコミュニケーションできる環境を用意しておけば、オンライン会議によるバーンアウトのリスクも、一律出社のデメリットも減らせます。場所に柔軟性を持たせたフレキシブルな働き方がウェルビーイングにもたらす効果を認識し、こうした働き方も状況に応じて検討しましょう。
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アイデア③部下のストレスを軽減させる方法や制度を考える
人間関係を整えることも5月病対策にとって重要です。5月病のユウウツを解消するために上司が部下に対してできることは、まずは良好な人間関係を構築すること。そして、部下が最大のパフォーマンスを発揮できるよう、よく実態を把握して制度を整えることです。
経営者やマネージャーは、自分を含めた人間関係も「働く環境」の一部だと認識しましょう。その上で社員や部下の労働状況やストレス状況を把握し、勤務時間外を最大限尊重することが重要です。
➤詳しくはこちらから…部下のストレスを軽減させる方法
また、先に見てきたように従業員のストレス軽減のためには、勤務時間や場所の自由度を高めることも有効です。
単身世帯や核家族化、共働きが一般的になる中、生活上のこまごまとした手続きや家庭の都合のために、一時的に業務を中断したいと考える人も珍しくありません。時間単位の休暇を取得できるなど、制度と運用がしっかりしていることは、業務外の困りごとを解消するための大きな助けになります。結果的に仕事へのモチベーションが高まったり、アウトプットの質が高まったりという効果も期待できます。
このような好循環を生み出す仕組みをいかに制度設計に落とし込み、運用するか。それがこれからの経営者・マネージャーの重要課題の一つではないでしょうか。
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日本式フレキシブルワークが働き方をもっと健康・持続可能に
「そもそもテレワークができるのは一部の職種だけ」という課題感もあるかもしれません。しかし、フレキシブルワークは何かの既存ルールに則って実行する必要はありません。メンバーが本当にパフォーマンスを発揮するために必要な、時間や場所についての用件は何か、というレベルから見直しをしてみてもいいでしょう。
こうした働き方のアイデアは以前から存在し、数年前から「フレキシブルワーク」として欧米では実行されています。勤務時の時間や場所の選択肢が用意されているだけでなく、ジョブシェアリングや家族のための有給休暇制度といった取り組みも見られます。こうした海外の取り組みを参考に、日本社会の現状に合わせたフレキシブルワークを導入することで、従業員の5月病を防げるかもしれません。
▽フレキシブルな働き方をどう実現する?バーチャルオフィスoviceを活用し働く事例を紹介