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働き方事例シリーズ vol.2「男性育休」 ~フレキシブルな働き方が人生の選択を増やす~

本シリーズでは、ビジネスメタバースのoviceを活用し柔軟な働き方を実現している方々の、「働き方」と「生き方」を紹介します。

シリーズ2回目のテーマは、「男性育休」。男性の育休取得促進を目指し、2022年10月に育児・介護休業法が改正されましたが、取得率は企業規模によりばらつきがあり、今後さらに高めて行く必要があるといえます。

特に中小企業での取得に関する課題感が指摘されていますが、oVice社では子どもの誕生に際して、実際に数か月の育休を取得した男性メンバーが複数います。今回は育休を取った2名のメンバーに、経緯や育休中に感じたこと、復職してからの様子について、話を聞きました。

(インタビュー・執筆:稲葉めぐみ)
※本編の内容は、すべてインタビュー当時の情報です。

<参照>NHK|男性の育休取得率 去年47%と前年から大きく上昇 経団連

育休取得は「当たり前」と思って行動。SREチームリーダーとしての休暇前の工夫

■インタビュイー

showwin/oVice株式会社 Site Reliability Engineer
 前職では、エンジニア向けキャリアマッチングプラットフォームを提供する企業でCTOを担う。2021年11月oViceに入社し、SREのリーダーを担当。2022年6月から2か月間育休を取得。家族構成は妻(2023年4月に復職)、長男(1歳)。

ーなぜ育休を取得しようと思ったのですか?

「育休を取らない」という選択肢がそもそも無かったかもしれません。妻も私も実家が遠いため両親の助けを借りるのは難しい状況で、妻が一人で子育てをするのも現実的ではありません。そのため、少なくとも1〜2か月は休みたいと前々から考えていました。

上司に相談したところ、「2か月休んでも全く問題ないよ。どうぞ!」と快く承諾してくれたので、2か月間育休を取ることにしたんです。

4〜5人のエンジニアからなるSREチームのリーダーを担当していたため、長期間抜けるとなると代わりにチームを引っ張る人が必要になります。突然育休に入るとメンバーが混乱すると思い、予定日の半年前には上司に打診し、チーム内の体制を整える準備を始めました。

ー育休中の生活で感じたことを教えてください。

まず感じたのは、考えていた以上に最初の1か月は大変だということです。出産直後は忙しいと覚悟していたものの、想像以上でした。

子育てあるあるですが、新生児の頃は親もまとまった睡眠がほとんど取れません。そんな中でも、産後は役所への書類提出などの手続きも必要で、眠い目をこすりながら対応していた記憶があります。

良かったことは、子育ての大変さを身を持って理解できたことです。子どもの世話をまる一日したことで、子育てが体力的・精神的にどれだけ大変か想像がつくようになりました。

今年(2023年)4月からは妻も復職したため、家事・育児は半分ずつ分担しています。私自身は、完全リモートワークのoViceで働いているため、通常ならば通勤にかかる時間を家事や育児に割くことができて、とても助かっています。

ー育休を取って、ご自身の中で変化したことはありますか?

出産直後から育児ができたことで、子育ての大変さを身をもって理解でき、「親としての自覚」が得やすかったと思っています。

「男性は出産の痛みを経験しないから、子供を持った自覚が生まれにくい」という話をよく聞きます。私も育児書を読んでいましたが、内容は理解できても、「目の前に子ども本人がいないしなあ…」という気分でした。

ですが、初めて病院で我が子を抱っこしてみて、落としたら壊れてしまいそうで、「これは守らないといけない」と思いました。育休期間に子どもと一緒に過ごすことで、こうした体験と父親としての自覚を得られたと思っています。

ー育休取得の障壁はありましたか?また、業務について心配事はありませんでしたか?

oViceでは、育休を取得した男性社員の前例もあったので、上司も他のメンバーも快く送り出してくれました。

もちろん業務に支障が出ないように、自分がチームを離れる前の事前準備は丁寧にしていました。例えば、育休中の2か月間のプロジェクトの優先順位は私がある程度事前に計画を立てておくことで、後任者の負担をできるだけ減らすようにしました。

また、育休に入る2~3週間前から実務は後任者に任せ、私はフィードバックする側にまわりました。oviceを使えばアバターを通じていつでもコミュニケーションをとれるので、リモート勤務で社員同士が離れていても、距離を感じにくいと感じています。そのため、実際にそばで教えているような感覚で、メンバーにアドバイスや引き継ぎができました。

▲メタバースoviceでチームメンバーと打ち合わせ

育休前からメンバーと仕事を共有し、ある程度予測通りに進行したこともあり、2か月後復帰した時も「浦島太郎状態」で困るということもありませんでした。

「多忙で長期間の休みなど取れない」「育休が取れる雰囲気ではない」など、育休を取らない理由は探せばいくらでもあると思います。それでも、私自身の体験からは、「育休を取るのが当たり前」と思って、そのために周りを巻き込みながら進めていけば、案外上手くいくんじゃないかなと思っています。

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元管理部長が約半年間の育休取得。「人間関係の可視化」ができるoviceで、復帰もスムーズ

■インタビュイー

東 智也(TOM)/oVice株式会社 Enterprise Account Executive
 2020年2月にoViceに入社後、創業メンバーとして管理部長を担当。2022年10月から半年間育休を取得し、2023年5月にEnterprise Account Executiveとして復職。家族構成は、妻(2022年2月に一度復職、現在育休中)と長男(8か月)。

ー東さんは、oViceの中でも比較的長期間育休を取得しています。理由を教えてください。

出産前に取った有給休暇を含めると、トータルで約8か月間休みました。

私の中で、子育てで後悔したくないという思いがあり、半年間は育休を取るという強いこだわりがありました。数週間の育休では、子どもはまだ手が掛かるし、パートナーも十分に回復していません。子育てにちゃんと向き合うためには、私の場合は半年間は必要でした。

同時に、誰もが躊躇することなく、長期の育休を取れる環境にしたいという思いがありました。

以前管理部長を担当していた頃、同僚が育休を2週間だけ取ったことがありました。今振り返ると、あのとき「もっと休んだら?」と背中を押してあげるべきだったなと思ったんです。だから今回は、長期間休んでも会社は何の問題もないという姿勢を、自らの行動で見せたいと考えていました。

実際に育休をとってみると、半年間でも短かったと感じています。復帰が近づいたときには「もっとこれから先も包み込んでやりたかったな」と名残惜しさはありましたが、仕事に気持ちを切り替えるということをしっかりと意識しました。

ー育休前の引き継ぎはどのように進めましたか?

私の場合は少し特殊で、CEOの計画と自分の希望で育休後には管理部長から営業部門への配置転換を希望していました。

幸いにも、新たな管理部門の管理職として相応しい人材を複数名採用することができ、バックオフィス領域の新たな体制への足がかりを早々に整えることができたので、全ての権限をそうした方々に託して休みに入りました。

ー新しいポジションで復職されたとのことですが、復帰はスムーズにできましたか?

半年間、育休で現場からは不在となっていましたが、復帰後は初日から不安に感じることは無かったですね。

その理由は、「5秒で出社できる」oviceを使っていたからだと思います。子育て中に実際のオフィスへ出向くのは難しいですが、oviceであれば育児の合間にCEOやCOOとも気軽に話すことができます。

このようなコミュニケーションを通じて、育休中に経営層から復帰後の自分に対する期待値を擦り合わせできていたので、新しいポジションでの復職もスムーズでした。

また、半年間でたくさんの入社メンバーが増えましたが、誰と何を話をしたら良いかわからない…というような戸惑いや困りごともまったくありませんでした。

なぜかというと、oviceではアバターでコミュニケーションをするので「誰がどういう動きをしているか」が見えるからです。

業務上で誰と誰が関係が強いのかという人間関係だったり、忙しそうなメンバーがどういうタイミングで他のメンバーに話しかけられているのか、アバターの動きを見ていればある程度わかるので、話しかけることへのハードルが下がりますよね。

▲ある日の業務中の様子
▲共有画面に投影されるスライドを見ながらoviceでメンバーとミーティング

ー最後に、育休を取ってみて感じたことを教えてください。

私たちの育児においての、いわゆる「勝ちパターン」を見つけるまでが大変でした。

例えば、生まれてすぐは意思の疎通が難しいので、どういう体勢が心地良いのか、眠たいのかお腹が空いているのかを表情から察知できるようになるまで苦労しました。毎日のちょっとした子どもの変化を見逃したらもったいないと思う一方で、24時間観察していると徐々に神経がすり減って1日が終わる頃にはヘトヘトになることも。

良かったこととして、「大切な家族」という温かい感覚が、自分の中に当たり前に存在することに初めて気づかされた、ということがあります。

私は子煩悩なタイプではなかったですし、「子育て始まるわ…」「所詮男だしわかってあげられないんだろうな」という気分になるだろうと思っていました。それが、我が子に初めて会ったとき、「あ、自分の家族だ」と思ったんですよね。まるで昔から仲良しだった友達のように、ごく自然に自分の生活に彼が加わりました。今でもワンオペが苦にならないくらい、子どもとは仲が良いです。

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編集後記

今回は「男性の育休」をテーマにoVice社のメンバー2名を取材しました。育休の障壁となる「復職時の困りごと」が、oviceの活用により緩和される様子も聞くことができました。また復帰後には、oviceを使った在宅勤務により通勤時間をカットできることから、育休期間が終わったあとの仕事と育児の両立が実現しています。

男性の育休のハードルが様々な面から解消されることで、子育てから得られる「新たな発見や喜び」をパートナーと一緒に享受できる方が増えるのではないでしょうか。

このシリーズでは、これからも様々な「人生の選択」と「働き方」をご紹介していきます!

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