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仮想オフィス(バーチャルオフィス)とは?機能と効果、メリット・デメリットを解説!

テレワークが全国的に普及したことをきっかけに、仮想オフィス(バーチャルオフィス)が注目を集めました。その背景にはテレワーク実践において直面する「コミュニケーション不足」やそこから生まれる「孤独感」「帰属意識の低下」の改善が期待されたことがあります。

この記事では、仮想オフィスのメリットやデメリット、テレワークでの活用方法について詳しく解説していきます。

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仮想オフィス(バーチャルオフィス)とは?

仮想オフィス(バーチャルオフィス)とは、オンライン上で入室できる空間のことです。アクセスするとアバターの形で入室でき、そこにいるユーザーと自由にコミュニケーションを取ることができます。

互いの様子が見えたりすぐに会話ができるなどの機能から、テレワーク・リモートワークでも実際にオフィスに出社しているかのような感覚で勤務できることが特徴です。従業員同士が物理的に離れていても、それぞれの状況がバーチャルオフィスを通じて見えるので、オフィスで働いている際に感じられていた一体感が得られます。

テレワーク・リモートワークで働く社員や、リアルオフィスに出社する社員など、ロケーションに関係なくコミュニケーションが可能です。Web会議ツール等と異なり、相手の状況が一目でわかることから声をかけるハードルが低くなるので、コミュニケーションの活性化が期待できます。業務においては、一人で仕事や課題を抱え込んでしまうという出来事も減らせるでしょう。

バーチャルオフィスを導入する目的は組織により様々です。メンバーの可視化とコミュニケーションの充実を通じて、テレワークでの孤独感解消、帰属意識の低下防止を図る組織もあります。

また円滑なコミュニケーションが実現するので、人材採用においても効果を発揮します。具体的には、バーチャルオフィスをワークプレイスとして活用することで、テレワークを希望する優秀な人材を雇用できることや、物理的出社に困難のある人材にも帰属意識を持って組織に参画してもらえる、といったケースがあります。

このように、組織が直面する様々な種類の課題に対する解決策となる点も仮想オフィス(バーチャルオフィス)の大きな特徴です。

名称について、「バーチャルオフィス」は国内では登記などができるレンタルオフィスのことを指すことも多いため、「仮想オフィス」と呼ばれることもあります。

仮想オフィス(バーチャルオフィス)の種類・機能

仮想オフィス(バーチャルオフィス)には様々な種類があり、それぞれに独自の機能もあります。スペースの形状には3D、2Dがあり、アバターの有無や形状もそれぞれです。

ビジネス向けソフトウェアとクラウドサービスについてのユーザーレビューを掲載している「ITreview」には、2024年2月現在、13の仮想オフィス(バーチャルオフィス)が掲載されています。

仮想オフィスが備えるコミュニケーションのための機能は、音声による会話機能のほか、チャット、カメラオンでの会議、画面共有、外部コミュニケーションツールやカレンダーなどのステータスの反映、絵文字によるリアクションなど様々です。

いずれも業務やコミュニケーションの円滑な実現をもたらすものですが、製品により異なる利用体験となる様々な機能が備わっています。

リアルオフィスの位置を設定したエリアに表示させる機能や、同時翻訳も可能な文字起こし、AIが議事録をアウトプットしてくれる機能を備えたものもあります。

また仮想オフィスのスペースのレイアウトを変更できる機能を備えている製品もあります。レイアウト変更機能によって目的に応じた柔軟なカスタマイズが実現し、組織への帰属感を高めたり、対応中の業務を可視化したり、業務フローを省人力化したりも可能です。

仮想オフィス(バーチャルオフィス)のメリット

出典:ovice公式サイト

仮想オフィスは他のツールにはない多くのメリットがあります。例えばコミュニケーションが促進され、結果としてコミュニケーションの頻度と質が改善したり、孤独感が解消したり、生産性が向上したりといったことが期待できます。

これらのメリットを深く理解することで、仮想オフィスの組織内部での普及にも影響を及ぼし、社内のテレワークに関する課題を解決できるかもしれません。3つのメリットについて順に詳しく解説します。

仮想オフィスのメリット① 可視化でコミュニケーションの頻度と質が向上可能

テレワークを取り入れている企業が感じる課題のひとつに、「コミュニケーションが減る」というものがあります。

リアルのオフィスでは同じ空間内で仲間が仕事をしているため、業務上の確認事項や不明点、あるいは共有事項をすぐに伝えることができます。さらに、会議の終了後や休憩のために席を立った際など、従業員同士が会話を始めるきっかけが多くあります。

一方で、テレワークにおいてチャットツールやWeb会議ツールはあるものの、相手からすぐに返信がなかったり、いつの時間ならばWeb会議ツールで話せるかの確認など、予期せぬ手間がかかることも少なくありません。こうした手間の発生がハードルとなって声をかけるのを先延ばしにしてしまうことすらあります。

こうして、テレワークにおいてはコミュニケーションの頻度と質が損なわれてきました。仮想オフィスは、このようなコミュニケーションの課題を解決できます。

仮想オフィスでは話しかけたい相手の様子だけでなく、従業員同士の様子も見えるので、誰と誰が良く会話をしているか、どのようなプロジェクトが進行していそうかなどが推察できます。また場合によっては、複数人の会話の様子をうかがって、そのまま参加することも可能です。

このように従来のリモートワークでは不可能だった補足的な情報のキャッチやコミュニケーションの開始ができるので、コミュニケーションの頻度や質の向上が実現するのです。

仮想オフィスのメリット② チームの生産性向上

コミュニケーションの頻度と質が改善することで、業務への理解も深まり、業務進行に必要な報告・連絡・相談の質も改善します。仮想オフィスを使うことで、報連相を行うための「場」のセッティングにかかる工数も削減できる可能性もあります。

また実は、雑談も業務進行のための重要な要素です。雑談を通じて人となりを知ることは円滑なコミュニケーションにつながり、場合によっては一人では成しえない発想や成果をもたらすでしょう。

さらに、雑談において相手から理解や共感を示されるようなことがあれば、それは従業員のモチベーションにも良い影響を与えます。勤務中のこうした体験は、ウェルビーイングな職場環境を実現します。

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仮想オフィスのメリット③ 孤独感を解消できる

仮想オフィスではメンバーの様子が見えるため、1日中あまり動きのない従業員に気付くことができます。また会議に参加しているか、作業に集中しているかといった状況について、仮想オフィスの機能であるステータス表示や滞在エリアによって識別できる場合には、話しかけるタイミングをつかみやすくなっています。

管理職や同僚が、1日中誰ともコミュニケーションをしていなさそうな従業員に対し、適切なタイミングで声をかけるといったことも可能です。

また1つ目のメリットでふれたように、仮想オフィスでは会議後に一部のメンバーだけで引き続き会話をするといった出来事もありえます。このような対面時に自然と起こっていた会話が生まれます。またチャットやリアクションなどの機能を活用すれば、非言語コミュニケーションも充実します。

このように仮想オフィスを活用したリモートワークには、従来のリモートワーク環境よりも孤独感を減らすことのできる環境が整っているといえるでしょう。

仮想オフィス(バーチャルオフィス)のデメリット

「リモートワークにおけるコミュニケーション課題解決」「生産性向上」「孤独感解消」など、場所にとらわれない柔軟な働き方や、離れた支店や拠点・パートナーとのコラボレーションにも役立つ仮想オフィスですが、導入や展開にあたってはデメリットも存在します。

以下の3つは代表的なデメリットです。

  • ITスキルの程度により、慣れるまで時間がかかる
  • コストがかかる
  • 従業員に監視ツールのように捉えられてしまうリスク

仮想オフィスはPCを用いてアクセスすることが一般的です。音声通話以外の機能も活用したい場合には、キーボードやマウスをはじめPC関連の操作が必要となってきます。

またセキュリティの担保のため、認証を経て入室できるような仕組みを採用する場合もあります。ITスキルの程度によっては、こうした一連の操作を難しく感じてしまい、利用に消極的になってしまう可能性があります。

次にコストです。他のITサービス同様、仮想オフィスには利用料がかかります。仮想オフィスの効果が実感できない場合には、こうしたコストを大きな負担に感じることもあるかもしれません。

「なぜ仮想オフィスが必要なのか」を利用するメンバーにもしっかり共有し理解を得てすすめることで、仮想オフィス活用の目的を達成できます。仮想オフィスは活用を成功させることで、導入以前は実現しなかった体験が手に入ります。コストは、そのために必要な投資であると捉えられるはずです。

最後のデメリットは、従業員が「監視されている」と感じてしまうリスクです。仮想オフィスは従業員の様子がしっかり見えるという特徴があるため、ログインする従業員が勤務中ずっと監視の目を向けられているように感じられてしまい、その結果仮想オフィスに入室することに抵抗感を抱く可能性もあります。

しかし、リアルオフィスでの勤務においては、これまでも上司や同僚など周囲から自分の姿が見える状態で勤務していたという方が大半ではないでしょうか。業務に従事する場所が多様になっただけであり、相互に姿の見える形で勤務することはこれまでと何ら変わりないのです。このような認識を持つことは、新しい働き方を定着させ、企業を成長させるための一つの方策といえるでしょう。

まとめ

組織の目的は、サービスや商材の継続的な提供や、イノベーションを起こして社会に価値をもたらすことにあります。日本の労働人口の減少や少子高齢化社会など、変化する社会の課題と向き合ういま、柔軟な働き方は一つの解決策となります。

仮想オフィスは場所にとらわれずに、対面時のようなコミュニケーションが実現することから、イノベーションへの進展も期待できます。仮想オフィスのoviceでは無料で体験できる「公開デモスペース」を用意しているので、いつでも実際に操作とコミュニケーションを体験できます。さらには、自社と共通の課題を持つ先行企業事例について理解を深めることを、変化する社会で成長を遂げるための第一歩としてみてはいかがでしょうか。

ご体験のためのバーチャルオフィス:公開デモスペース入口


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