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オープンコミュニケーションとは?やり方・メリットとデメリットを解説

職場の文化、特に「情報共有」や「意見交換・調整」の場面において、伝統的な日本企業の型からの脱却が起こっています。ユーザベースやサイボウズといった企業が取り組むオープンコミュニケーションとは、誰もが気軽に意見を表明できること、そして情報にアクセスできることを意味します。この記事ではオープンコミュニケーションとは何か、そしてどのように組織に取り入れることができるのか解説します。

オープンコミュニケーションとは?意味

オープンコミュニケーションとは、日本語に訳せば「開かれたコミュニケーション」です。情報のやり取りが個と個の間に限定されず、組織内のメンバーがアクセスでき、またそれに対して意見を表明できる状態を指します。また、立場に関係なく自分の意見を述べることができる・述べてよいと感じるという心理状況のもとになされるコミュニケーションを意味しています。

例えばSlack社のMartin氏は「(情報の)共有は成功につながる」とし、さまざまな視点を受け入れるという価値観がプロジェクトや組織の改善ができると指摘します。またユーザーベースの佐久間氏は自身のnoteの記事で、オープンコミュニケーションの実践について紹介しています。同氏は「諦めずに本音を話す」「具体化しないと解決しない曖昧な言葉を、具体的に置き換えてもらう。そしてそこから理解をはかる」という方法を、組織内でオープンコミュニケーションを実践するためのルールとして紹介しています。

<参照>Slack|オープンコミュニケーションが生む、高い成果を出すチーム

オープンコミュニケーションの対義語は?

オープンコミュニケーションには明確な対義語はありませんが、反対の概念にはクローズなコミュニケーションがあります。これは電話やメール、ダイレクトメッセージなど、限定された人物のみで情報がやりとりされる形式のコミュニケーションです。

オープンコミュニケーションの例:ツール活用

オープンコミュニケーションの代表的な例に、ツールの活用があります。そもそも、組織の全員が情報を見られるようにするためには、メールにCCを入れたり、グループチャットのような形で会話を進めればよいように感じる人もいるかもしれません。しかしこの形では、複数の業務や案件を進行するには不便があります。TeamsやSlackといったグループウェアは、情報の混線や行方不明を防ぐ役割を果たします。ツール内に「案件ごと」「業務ごと」に区切って会話のスペースを設けることができるからです。

このような機能により、たとえば、自分が直接の担当でない案件についての、後輩社員から先輩社員に対する報告を見ることができます。もしそこに取引先とのやり取りの詳細が書き込まれていれば、その体験を自分の今後の業務に活かすこともできるでしょう。また知見のある分野の出来事であれば、意見を述べることで後輩社員に新しい観点を与えられるかもしれません。

グループウェアはこのように、チーム内での情報共有と、各自の感想や意見を表明するといったオープンコミュニケーションが可能となります。在宅勤務を含むリモートワークの普及により、多くの組織で使われるようになったTeamsやSlackといったグループウェアは、オープンコミュニケーションに対する人々の意識を高めたと言えるでしょう。

一方で、全ての発言ややり取りが記録されるということは、心理的なプレッシャーにもつながります。このプレッシャーを緩和する環境整備も同時に必要です。具体的には以下の2点に注意すべきです。

  • 記録に残らないちょっとしたやりとりも時には許容される
  • また意見を否定的にとられることはないという心理的安全性を各メンバーが持っている

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オープンコミュニケーションのメリットは?

オープンコミュニケーションの本質的なメリットは、メンバーが自主的に判断できるようになる点にあります。会社や組織全体にかかわるビジョンを共有することで、誰もがチームの目標が何か、部署の目標が何か、組織の目標が何かを理解できます。これにより、チームメンバーとして自分の業務の成果がどうあるべきかをより明確に理解でき、要所要所での判断と行動が可能になります。

これまでの社是や社訓のような形でのビジョンの共有はなされてきたかもしれません。しかしオープンコミュニケーションでは、双方向での情報やり取りが可能なために、より自分ごととして意識されるのです。結果として、組織全体の意思決定のスピードアップも実現します。また、メンバーそれぞれのモチベーションの向上や、成長の実感にもつながります。

オープンコミュニケーションのデメリットは?

オープンコミュニケーションのデメリットは、情報がオープンであるがゆえに、取得できる情報が膨大になってしまうことです。中には雑談も含まれるでしょう。全ての情報を消化することは不可能です。この膨大な情報の中から、自分に必要な情報や関係すべきトピックを探し出す取捨選択と、どのように対処するかを判断していくことは実はかなりのストレスになります。全ての情報を把握する必要はないということをしっかり前提として意識すべきでしょう。

オープンコミュニケーションを助けるovice

アバターを使った二次元のバーチャル空間「oVice」では、近づくだけで声が聞こえ、まるで現実世界のようにコミュニケーションできます。このような空間では、オープンコミュニケーションを成立させるために必要な「記録に残らないちょっとしたやり取り」が可能です。

また予定を確認して設定するオンライン会議と異なり、気軽に話しかけられるので雑談も増えます。仕事とは関係のない会話を通じて人となりを理解することは、同僚や上司の人物像を豊かにします。こうして出来上がる相手へのイメージは、リモートワークにおける信頼関係の醸成を助けるでしょう。これにより、オープンコミュニケーションの重要な一要素である「立場に関係なく自分の意見を述べて良いと感じる」ことも可能となるのです。


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山浦雅香
1985年生まれ、茨城出身、東京在住。2007年北京に一年留学。ライター・編集。翻訳や中国向けSNSコンテンツ監修、中国VR展示会アテンドなども。