ビジネスコミュニケーションを円滑化し、業務の効率化やと生産性を向上させるうえでは、チャット、ファイル管理、オンライン会議、タスク管理などのツールが役に立ちます。コミュニケーションに役立つ代表的なツールの主な機能と課題、ツール選定時のポイントについて詳しく解説します。
目次
押さえておきたいコミュニケーションツールとは?
企業におけるビジネスコミュニケーションは、社員同士、あるいは異なる組織間での情報共有や情報伝達によって成り立ちます。そのビジネスコミュニケーションをオンラインで効率化するツールとしては、例えば、チャット、ファイル管理、オンライン会議、タスク管理などが挙げられます。在籍確認、カレンダーなどのツールも、ビジネスコミュニケーションの効率化に役立ちます。
働き方が多様化し、リモートワークが一般化したことで、コミュニケーションツールへの需要も高まりました。リモートワークはもちろん、オフィス勤務であっても互いの拠点や部署が離れている場合、スムーズなコミュニケーションのためにこうしたツールは不可欠でしょう。ただ、オンラインでのコミュニケーションは、対面での会話に比べると、表情などの細かなニュアンスが伝わりづらいなどの課題もあります。コミュニケーションによって伝達されるのは、単なる音声や視覚的な情報だけではなく、会話の表現や行動、感情表現などによる反応も含まれます。しかし非対面の状況では、どうしても情報の共有だけに重点が置かれがちです。そのため、このギャップを埋めることのできるコミュニケーションツールを活用するのが望ましいでしょう。
では、ビジネスコミュニケーションに役立つツールとしては、どのようなものがあるでしょうか。おもな機能としては、以下が挙げられます。
- チャット機能
- ファイル管理機能
- オンライン会議機能
- タスク管理機能
これらはコミュニケーションのうち情報伝達のためによく使われるツールですが、それだけでなく、コミュニケーションにはさらに多様な側面があり、それぞれの課題を解決する機能の領域が多数あります。例えば、会話を始めるには、まず相手がどこにいるのか、連絡してもよい状態かを把握しなければなりません。そのとき、社内のどこにいるのかを把握できる在席確認ツール、フリーアドレス時の座席予約ツール、Googleカレンダーのように会議や外出のような稼動状態を確認できるツール、などが便利でしょう。あるいは、言葉では表現しづらいことも、図を描くことで伝わりやすくなるかもしれません。そのとき、画面共有ツールやホワイトボードツールが役立つでしょう。
この記事では、先に挙げた4つの機能領域を取り上げ、その特徴を解説します。
チャット機能
コミュニケーションツールの代表的な機能のひとつがチャットです。一対一(1:1)のやり取りはもちろん、一対多(1:n)、または多対多(n:n)のコミュニケーションもサポートします。例えば、ダイレクトメッセージでの個別のやり取りに加え、複数人でのグループチャットも可能なツールが多く存在します。
チャット機能の特徴は、非同期コミュニケーションであることです。リアルタイムでの応答が求められず、都合のよいときに反応できるというメリットがあります。働く時間や場所が異なるメンバー間でも効率的に情報交換を行うことが可能で、特にリモートワークや異なる拠点・部署間でのコミュニケーションにおいて重宝されます。
ただし、非同期であることにはデメリットも存在します。リアルタイム性が欠けるため、緊急時には迅速な対応が難しくなることです。また、文面だけでは感情やニュアンスが伝わりにくい点も課題です。重要な案件や緊急時の連絡には、オンライン会議機能など、ほかの手段を併用することが推奨されます。
ファイル管理機能
ファイル管理機能を利用すれば、ファイルやデータをドラッグ&ドロップで簡単に共有でき、複数人が同時に確認することが可能です。また、必要なファイルのアップロード、閲覧、ダウンロードができるため、情報の共有・管理をスムーズに行えます。
ファイルの共有だけでなく、ストアして当該リンクを知らせることや、アクセス権や期限の管理も可能です。例えば、チーム全体に周知すべき情報をバーチャルオフィスのような共有空間に埋め込む機能を持つツールもあり、社内に情報を掲示する感覚で、重要なデータを周知できます。さらに、近くにいる人たちに一時的に情報や体験を共有できる機能を持つツールもあります。
ファイルの共有や管理はあくまでツールを構成する機能であり、コミュニケーションを成立させる意味では、メンバー間でデジタルデータを周知、可視化、確認、相互理解、浸透させることが重要です。
オンライン会議機能
オンライン会議機能は、会議の参加者に対し、単方向ないし双方向に、映像、音声、画面共有などのさまざまな方法で情報を伝えます。コロナ禍におけるリモートワークの普及拡大とともに、遠隔地にいるメンバーともスムーズにコミュニケーションできるオンライン会議機能も、急速に普及しました。オンライン会議機能は、相手との距離を問わず、1on1ミーティング、社員同士の定期的なコミュニケーション、フィードバックの場として役立ちます。また、複数のメンバーが参加するオンライン会議の場を設ければ、プロジェクトの進行状況を共有したり、意思決定を行ったりすることも容易です。
最近のトレンドとしては、音声の文字起こし、要約、翻訳など、オンライン会議の周辺機能も充実してきています。会議中の発言内容を後から確認できるほか、国際的なチームでも言語の壁を越えてコミュニケーションを図ることができます。
タスク管理機能
タスク管理機能は、自分のタスクの設定はもちろん、チームや部下にタスクを付与することによって、効率的なプロジェクト運営を実現します。特に便利なのが、カレンダーとの連携機能を持つツールです。タスクのスケジュール管理が一層容易になり、重要な期限やミーティングの調整もスムーズに行えます。
タスク管理に求められる機能は、タスクの作成・編集や依頼・承認、進捗状況の確認・管理など多岐にわたりますが、利用できる機能や程度は、ツールによって異なります。以下に一般的な内容を挙げます。
タスクの作成・編集:新しいタスクを簡単に作成し、必要に応じて編集できる
タスクの依頼・承認:他のメンバーにタスクを依頼し、完了後に承認を行って、業務の流れを円滑にする
進捗状況の確認:各タスクの進捗状況をリアルタイムで確認でき、プロジェクト全体の状況を把握できる
ステータス管理:タスクのステータスを「未開始」「進行中」「完了」などに設定することで、優先順位や作業状況を視覚的に管理できる
こうした機能の活用を通じて、個々のタスクだけでなく、チーム全体の業務効率を大幅に向上させることが可能です。
コミュニケーションツールの課題
これらのコミュニケーションツールは非常に便利で有用ですが、以下で示すような課題もあります。
非言語コミュニケーションが発生しにくく、感情などが伝わりにくい
非言語コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)とは、言葉以外の手段で行われるコミュニケーションを指します。つまり、表情やジェスチャー、声のトーン、姿勢などを通じて感情や状態を伝える方法です。チャットや会議のような「明示的な情報の流通」に限らず、感情や忙しさ、話せる状態かどうかといった非言語的な情報が自然と伝わることも、広義のコミュニケーションに含まれます。
ビジネスチャットやオンライン会議ツールのみで連絡を取ると、非言語コミュニケーションが発生しにくいため、対面での会話に比べ、相手の感情や考えを把握しづらくなりがちです。特にチャットでは、文章だけで情報を伝えるため、ニュアンスや感情が伝わりにくいという課題があります。
こうした状況では、「ビジネスチャットやオンライン会議ツールでは解決できない、コミュニケーション環境の構築」が必要とされます。例えば、バーチャルオフィスツールを導入すれば、社内の情報や非言語的な情報を伝えやすくする仕組みが取り入れられます。
コミュニケーションが断片化するおそれがある
チャットなどでは、やり取りの際に顔が見えないためニュアンスを伝えるのが難しく、誤解や摩擦が生じ、時にトラブルにつながることもあります。また、直接相手の顔が見えない状況が続けば、チーム内で疎遠化が進み、孤独を感じるメンバーが現れるかもしれません。またチャットには、発信側のメッセージを受信側が読むタイミングは同時ではなくいつでも構わない、つまり非同期のコミュニケーションを実現する、という特性があります。これは、両者がコミュニケーションするタイミングを会わせなくてもよいというメリットがある反面、すぐ反応が得られない、意思決定に時間がかかってしまう、といったデメリットの面もあります。
この問題の解消には、同期コミュニケーションの代表的なツールである、オンライン会議ツールが有用ですが、あらかじめ参加者が開催日時に合意しなければならないため、打ち合わせや会議には向く一方、気軽な相談や突発的な雑談には向きにくいでしょう。物理的に相手と同じ場所に出社していれば気軽に話し合えることも、リモートワークや異なる拠点・フロアでの勤務では難しく、コミュニケーションが断片化しやすくなってしまいます。
ツールの利用頻度に格差がある
企業がコミュニケーションツールを導入する際には、関係するすべての従業員に浸透するようサポートすることが重要です。一部の人だけが使いこなしていても、コミュニケーションの活性化には役立ちません。全員が積極的に使用できる環境を整える必要があります。
ツールを浸透させるには、研修が必要な場合もあります。従業員に対してツールの基本操作や活用方法を教えるか、容易に自習できる環境を整えれば、スムーズに導入できるでしょう。また、ツールの導入目的や期待される効果を明確に伝えることで、従業員の理解と協力を得られやすくなります。
例えば、チャット機能やファイル管理機能、オンライン会議機能など、各機能の役割と使い方を具体的に示し、どのように業務に役立てるかを説明すると、従業員が積極的に利用する意欲を高められます。加えて、成功事例の共有や定期的なフィードバックも有効です。ツールの効果的な利用方法が広がり、全社的なコミュニケーションの向上が期待できます。
オンラインツールの利用・管理に関する実態について詳しくは、以下の関連記事をご覧ください。
▼関連記事
大企業の約9割「オンラインツールを複数利用」一方で“使いこなせている割合”は…? | フレキシブルシナジーラボ by ovice
コミュニケーションツールの選び方のポイント
コミュニケーションツールを選ぶ際に役立つポイントを4つ紹介します。
自社で実現したいことを提供してくれそうか
コミュニケーションツールの導入にあたって前提となるのは、自社に必要な機能がそろっているかの確認です。単に会話をするだけでよいのか、情報の共有やタスクの管理まで行いたいかで、選ぶツールは変わってきます。
チャットやファイル管理、オンライン会議、タスク管理など、ツールにより提供される機能を確認し、自社のニーズに合致するかを把握する必要があります。そのため、まずは自社で必要とする機能を具体的にリストアップしてみましょう。
ほしい機能を考えるのみならず、その機能を通じて実現したい事柄、解決したい問題を、販売側へ明確に伝えることが重要です。そうすることで、自社では想定していなかった価値観や機能を提案してくれる場合もあります。新しい視点を取り入れることで、より効果的なコミュニケーション環境を構築できるかもしれません。
コミュニケーションを促進するような空間づくりが可能か
チャットやオンライン会議によるコミュニケーションの断片化を防ぐには、「コミュニケーションを促進する」空間をつくれるツールが役立ちます。
例えば、オンラインでも対面と同じように気軽な雑談や挨拶などができる環境としては、バーチャルオフィスツールが挙げられます。
バーチャルオフィスツールは、実際のオフィスのように特定の場所や人のもとへ移動することが可能です。チャットで打ち合わせや雑談ができるほか、さらに気軽なコミュニケーションに適したリアクション機能などもあります。
このように同じ空間にいる感覚を提供してくれるツールを導入すると、メンバーは会話が生まれやすい雰囲気の中で働くことができ、コミュニケーションを取りやすくなります。
自社で定着しやすい使いやすさを備えているか
コミュニケーションツールを選ぶ際には、利用者にとっての使いやすさを確認することも重要です。使い勝手が悪いと、ツールが浸透せず、効果的なコミュニケーションの活性化にはつながりません。例えば、外出先での利用を想定するなら、ツールがパソコンだけでなくスマートフォンにも対応していると、どこでもアクセスしやすく、利便性が高まります。
また、ツールを導入しても、相手が使っていなければ、コミュニケーションは成立しません。互いにコミュニケーションを取れる状態かどうかがわかる機能があれば、その障壁を取り除くことができます。例えば、バーチャルオフィスのようなツールでは、関係者全員がオンライン上のひとつの場所に集まるため、メンバーがどこにいても相手の状態を把握でき、自然なコミュニケーションが促されます。
試用版があるか
試用版があるかどうかも、重要なポイントです。製品の特長を確認するだけでは、実際の使いやすさまではわかりません。特に、操作性やユーザーインターフェイスの使い勝手は、実際に使ってみなければ評価できない部分があります。
無料で使える試用版が提供されていれば、費用をかけずにツールの使用感を確かめられます。例えば、チャット機能やファイル管理機能、オンライン会議機能、タスク管理機能の操作性を実際に体験することで、導入後の効果をより具体的にイメージできます。
コミュニケーションのさまざまな課題をoviceで解決
これまで示したコミュニケーションツールの課題を解決するのに役立つのが、oVice株式会社が提供する仮想オフィス(バーチャルオフィス)「ovice(オヴィス)」です。oviceは、「コミュニケーションを促進するような空間づくりの機能」を備えており、オンラインでもまるで現実のように気軽な会話ができます。
oviceでは、複数画面の同時共有や会議室など、多くの機能がそろっており、他のビジネスチャットやWeb会議ツールでは解決できないコミュニケーション環境を構築可能です。無料トライアルも利用できるので、まずは試してみることをおすすめします。
oviceは単なるコミュニケーションツールではなく、リアルなオフィスに出社しているような感覚で利用できるため、コミュニケーションが発生しやすくなります。例えば、バーチャルオフィス内で同僚と雑談したり、アドホックな会議が開催されたりすることもあります。こうした環境が、コミュニケーションの質を向上させ、業務の効率化と生産性向上につながります。
まとめ
コミュニケーションツールは、多様な働き方に対応し、情報共有や円滑な業務進行を支援する重要な役割を果たします。ただし、ツール選定時には機能や課題を十分に考慮し、自社に最適なものを選ぶことが重要です。「ovice」は、オンラインでも効果的なコミュニケーション空間を提供できるツールですので、ぜひ導入をご検討ください。