4月が近づき、新入社員が入社する季節を迎えます。初めての会社員生活をスタートする彼らをスムーズに迎えるために、多くの方が頭を悩ませている時期でしょう。社会のデジタル化が進む昨今、入社時に必要な情報をオンラインで用意した「デジタルウェルカムキット」で歓迎の機会を準備するのはいかがでしょうか?
目次
デジタルウェルカムキットとは
2023年の夏以降、出社とリモートワークを組み合わせた、フレキシブルワーク(柔軟な働き方)がスタンダードとなりつつあります。このような組織へ新メンバーを迎える際には、オンラインのメンバー、出社のメンバーに温度差が生まれないように注意を払うことが大切です。
2024年の春に社会人になる新入社員は、大学時代の4年間、新型コロナウイルスの流行により非接触が中心の生活を送ってきました。オンラインでのコミュニケーションやコンテンツ鑑賞が身近にあった彼らは、自分の求める情報がデジタルでわかりやすく整理・表現されていることは、当然のように感じているかもしれません。
こうした環境を前提とした場合、よりスムーズで印象に残る歓迎の手段として、入社時に必要な情報をオンラインで用意した「デジタルウェルカムキット」が役に立ちます。
そもそもウェルカムキットとは、新入社員を迎える際に渡すプレゼントのことです。日本の企業ではあまり一般的ではありませんが、企業のオリジナルTシャツや、ステッカー、ペン、マグカップなど、実用性がある品物にその組織らしいデザインを添えたものが多いです。ウェルカムキットを配布することで、組織への帰属意識を高める効果も期待できます。
「デジタルウェルカムキット」は、新入社員に歓迎の気持ちを伝えると同時に、新入社員がすぐに職場に溶け込めるような情報が詰まったコンテンツを指します。
物理的なウェルカムキットと異なり手元に残るアイテムではありませんが、組織との結びつきを感じさせてくれるパッケージとなります。
まずは、デジタルウェルカムキットに含むべき、7つのコンテンツとその特徴を紹介します。
■ウェルカムビデオ
経営陣やチームメンバーからの歓迎メッセージが入ったビデオです。企業文化やビジョンについてわかりやすく説明すると同時に、新入社員がチームの一員であることを感じられるような構成にすると、より完成度が増すでしょう。
■バーチャルオフィスツアー
会社の物理的オフィスをオンラインで紹介するバーチャルオフィスツアーは、新入社員にとって会社との結びつきを強く感じさせてくれるコンテンツとなるでしょう。すでに入社している社員にとっても、リモートワークが長い場合には、職場の雰囲気を感じられる良い機会となるはずです。カメラを設置してオンラインで放映すればリアルタイムの様子が見られますし、相互に姿が見えたり話せるような仕組みがあればより印象深い体験になるでしょう。
■チームメンバーや、話しかけて良いタイミングを、オンラインで閲覧可能な資料でお知らせ
どんな人物がチームにいるのかや、どんなタイミングで会話ができるのかを教えてあげましょう。同じ空間で一緒に仕事をしていない場合、新入社員は得てして話しかけるのを遠慮してしまうものです。会話の糸口になる話題や、話しかけて大丈夫な時間を知らせてあげることは、新入社員に孤独感を抱かせてしまうリスクを減らせるはずです。
■オンボーディングカレンダー・チェックリスト
新入社員に最初の数週間で何が予定されているのかを詳細を含めて示したカレンダーを準備しましょう。新入社員自身が必要な手続きを完了したかどうかが確認できるよう、チェックリストの形にするのもいいかもしれません。
■FAQコンテンツ
新入社員からよく出る質問に対する回答をまとめて、いつでもアクセスできるようにしておきます。服装規定や勤務時間、休暇申請方法などを含めておくと、新入社員のストレスを軽減できるかもしれません。
■社内の各種リソースへのリンク
内部システムやツールへのアクセス情報、業務に関連する閲覧可能な各種データ、人事やITサポートへの問い合わせ窓口など、重要な連絡先へのアクセスを、一か所にまとめておくと、便利です。
■重要事項を整理したドキュメント
就業規則、各種事務手続き等のマニュアルといった内容を確認できる電子版のドキュメントがあると、必要な時にすぐに確認でき、安心してもらえるでしょう。
デジタルウェルカムキットを提供するベストな方法
続いて、前節で見た「デジタルウェルカムキット」をどのような形で新入社員に届けることができるかを考えてみます。現在、様々なオンラインプラットフォームがあり、どれも快適に使えるような工夫がされています。
デジタルウェルカムキットを通じて新入社員に共有すべき情報は、関連した情報をリスト化することでも伝達可能かもしれません。しかし、リストのような形で「情報を共有する」ことと、歓迎の意を込めてそれらを渡すことの間には、大きな違いがあります。
デジタルウェルカムキットには目的別のさまざまなコンテンツが含まれていますが、それらを一目で見回せて、どのように重要なのかを直感的に把握できて、なおかつその組織のキャラクターが伝わるような方法があれば最高だと思いませんか?
バーチャルオフィスの活用は、こうしたニーズを満たす一つの解となります。バーチャルオフィス上に情報をデザインすることは、一枚の紙に情報をリスト化するのとは異なります。様々な形式のコンテンツを、受け取り手に感じてほしい感情をイメージして、それに合わせて表現ができるからです。
(画像出典:oVice デモ体験スペース)
今回は、バーチャルオフィスのoviceを使ったデジタルウェルカムキットの提供方法をアイデアとして紹介します。oviceを使って勤務しているoVice社の実際も一部お見せするので、ぜひ参考にしてみてください。
また、今お使いのovice以外のバーチャルオフィスでも、同様の設定が可能な場合があるのでぜひ調べてみてください!
まだお使いのバーチャルオフィスがない場合や、oviceを試しに使ってみたいという場合には、oviceの無料トライアルや、出入りが自由なデモ体験スペースを試してみるのもおすすめです。
oviceスペースに、用意したデジタルウェルカムキットを掲載する方法は以下の通りです。それぞれが自然と目に入るような空間をデザインしてあげると、新入社員がより早く組織になじめるかもしれません。
ウェルカムビデオには「近づくと再生されるYouTube」が便利
(出典:YouTubeオブジェクト|oviceヘルプセンター)
ウェルカムビデオは、これまではYouTubeにアップしてリンクをメールやビジネスチャットツールで送るといった方法が一般的でした。
バーチャルオフィスのoviceには、アバターが近づくと自動で再生されるような形でYouTubeを設置しておくことができます。
そこに近づけば新入社員に向けたウェルカムビデオが視聴できるということがわかるような看板のようなものを、一緒に掲示しておいても良いでしょう。
バーチャルオフィスツアーは、「窓」を使えば双方向のやり取りもOK
(出典:YouTube oVice公式チャンネル【ovice活用事例/フルVer】戸田建設株式会社)
oviceにはオフィスに設置したデバイスのカメラから、ovice上に映像を配信する「窓」があります。
この「窓」は、まるで窓からオフィスを覗き込むかのような感覚で、oviceにいながらオフィスを見ることができます。
また「窓」に近付いたアバターは、「窓」の向こうにいる人に声をかけたり、自分のカメラをオンにして自分や自分のいる場所を映すこともできます。
たとえば「窓」をオフィスとoviceの複数個所に設置し、oviceのレイアウトも物理的オフィスに似せ、そしてリアルとバーチャルで重なるスポットにオフィスの映像を配信すれば、ovice上にいながら本当にオフィスを訪問しているかのような気分になれるのではないでしょうか。
プロフィール機能で、所属チームや話しかけて良いタイミングをお知らせ
他のオンラインツールと異なり、バーチャルオフィスは「その場での音声を主体にした会話」のために活用されるシーンも多くなっています。oviceの場合は、アバター同士が近付くと会話ができるため、誰と誰が会話しているのかを簡単に知ることができます。
また、スペースの中にデスクや部署ごとの「島」をデザインすれば、どの部門にどんな方が、そして何名ほどのチームなのかといったことが一目で分かります。
アバターがスペースを退出するとこうした情報は見えなくなってしまうので、座席に名札を付けるのも一つの手です。
新入社員の座席をデコレーションしてあげたり、既存メンバーを特徴づける小さなアイテムを席付近に置くのもいいかもしれません。
またoviceのプロフィールに、平日に対応可能な時間や座右の銘などをを設定しておけば、新入社員が「この人のことを知りたい」「この人に話しかける用事がある」といった場合に、相手がどのような人なのかやどの時間帯なら話しかけて大丈夫なのかを、クリックして確認できるようになります。
アバターにセットした写真と合わせて、どんな人なのかがいつでも自由に確認できるので、新入社員も気負わずメンバーを理解することができます。
オンボーディングカレンダー・チェックリストを掲示板に
スケジュールはいつでも一目で確認できると便利ですよね。oviceの「掲示板オブジェクト」を使えば、その名の通り掲示板をovice上にに設置できます。
すでに完了した内容については完了のステータスが分かるように常時内容をアップデートすると、新しい環境で緊張している新入社員の不安を軽減できるかもしれません。
FAQコンテンツをスライドなどで表示
(画像出典:oVice デモ体験スペース)
新入社員であればおおむね誰でも疑問に思うことや、対面では聞きにくいことがあるでしょう。掲示板機能を使って掲示したり、iframeオブジェクトを使って外部のオンラインコンテンツを表示させることで、そうした疑問をセルフで解消してもらうことができると同時に、既存社員の問合せに対応する時間を節約できます。
社内の各種リソースへのリンク・重要事項を整理したドキュメント
リソースへのリンク・重要事項を整理したドキュメントは、掲示板に一覧を掲示するか、レイアウト上にボタンの形でリンクを埋め込むと使い勝手が良いでしょう。
(画像出典:oVice デモ体験スペース)
場合によっては、ピクトグラムを用いるとより直感的に利用してもらえるかもしれません。新入社員の組織に対する理解も早く深まりそうです。
まとめ
フレキシブルワーク(柔軟な働き方)は、労働人口が減少している日本社会にとっても、家族ケアの対応などに直面する人々にとっても、引き続き必要とされる働き方です。こうした働き方をしている場合、メンバーの組織に対する愛着を高め維持していけるかが、企業や組織にとって大きな関心事となります。
物理的に対面することを必須とせず、組織への理解や良好な心理状態を実現できる「デジタルウェルカムキット」は、これから本格化するフレキシブルワーク時代において、新入社員にエンジンをかけるための必需品といえます。
チームが一丸となるための共通認識は、適切な形式でのコミュニケーションを通じてより深められるものです。ぜひバーチャルオフィスを含め、良い「デジタルウェルカムキット」を検討・用意してみてください!