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テレワーク下での社員教育を成功させるためのポイントとは

テレワークによって様々な課題が生じていますが、その中でも特に大きな課題となっているのが社員教育ではないでしょうか。教育する側もされる側もテレワークでの教育に慣れておらず、試行錯誤を繰り返していく他ありません。

今回は、そのような課題を感じている企業に向け、テレワーク下で効果的な社員教育を行うための方法やコツを紹介します。

テレワーク下における教育の難しさ

まずはテレワーク下での教育がなぜ難しいのか、その理由を整理していきましょう。

コミュニケーション機会の減少

テレワーク下での社員教育が難しい原因の一つがコミュニケーションの減少です。オフィスで研修をしている時は、多かれ少なかれ周りとコミュニケーションをする機会がありました。それにより安心感が生まれ、研修への不安や疑問も解消できたでしょう。

しかし、テレワークではコミュニケーションが一方的になりがちで、気軽に先輩や同期と話す機会がありません。研修中にわからないことがあっても聞きづらく、出社時に比べて教育効果が落ちてしまうでしょう。

メンタルケアの難しさ

コミュニケーションが減ったことにより、メンタルケアも難しくなります。顔を合わせていれば、後輩が困っていたり、躓いていたりすれば気づくこともできたでしょう。しかし、モニター越しでは、そのような小さな変化に気づけず、十分なメンタルケアができません。

対応が遅れれば、研修にも集中できなくなりますし、最悪の場合はオンボーディングの完了する前に離職してしまうリスクもあります。研修を受ける側も、気軽に先輩に相談できなくなることで、不満やストレスを解消するのが難しくなってしまいます。

教育効果や研修効果の低下

急速に新型コロナウイルスが拡大したことで、多くの企業が十分な準備ができないまま強制的にテレワークに移行することになりました。それは教育体制も例外ではなく、突然テレワークに切り替わったことで、満足に教育できていないと感じている企業も少なくないでしょう。

テレワークには、テレワークに適した教育が必要となります。新型コロナウイルス流行から数年が経ち、徐々にその教育方法も確立されてきました。いかにテレワークに適した教育方法を導入するかが、企業の成長の鍵となります。

集中力が持続できない

モニター越しでは集中力を持続できないのも、テレワーク下での教育の大きな壁となっています。出社して対面で研修を受けていれば、自然と緊張感が生まれ研修にも集中できていたでしょう。

しかし、自宅にいながらモニター越しで受ける研修で集中できないのは仕方ありませんし、教える側も集中力を維持するのは難しいはずです。そのため、オンラインでは対面時よりも時間を細切れにして、集中力を維持するための工夫が欠かせません。

テレワーク下でも実践できる教育方法

テレワークでは、どのような教育方法が効果的なのか紹介していきます。

オンボーディング

オンボーディングとは、新しく組織に入ったメンバーが早期に活躍できるように組織としてサポートする教育・育成プログラムのこと。テレワーク前にもオンボーディングを行っていた会社も多いと思いますが、テレワークではその内容も工夫しなければなりません。

たとえばオンライン研修を受けられるサービスやツールの準備、フォロー体制の整備といった内容が必要になります。どうすれば新しいメンバーが会社の働き方にいち早く慣れるか考えて内容を吟味しましょう。

eラーニング

eラーニングとは、PCやスマホなどインターネットを利用して学ぶ学習形態のことです。「教材コンテンツ」と「LMS(学習管理システム)」で構成されており、様々な企業から提供されているクラウドサービスを利用するのが一般的です。

eラーニングは、「いつでもどこでも受講できる」「何度でも繰り返し学習できる」「集合型研修に比べて費用を押さえられる」などのメリットがあり、テレワークとの親和性が高いと言われています。

また、実際の研修や講義を撮影してコンテンツをつくり、その動画をeラーニングにして配信することも可能です。

マイクロラーニング

マイクロラーニングとは、1~5分程度の動画や細分化されたWebコンテンツなどの教材を使って、短時間で行える学習スタイルのこと。

いつでもどこでもアクセスできるのはeラーニングと同じですが、マイクロラーニングは短時間で1回のレッスンが完結するため取り組みやすいのが特徴です。加えて、仕事の合間や移動中などのすき間時間を利用して気軽に学習できます。

まとまった時間を取るのが難しい人でも、スケジュールを組みやすいというメリットもあります。また、マイクロラーニングは、短時間で設計されているため反復学習がしやすく、学んだ内容が記憶に定着しやすいことから、高い学習効果が期待されています。

テレワーク下での社員教育を成功させるコツ

テレワークでの教育を効果的に行うためのコツについて紹介していきます。

通信環境を整える

オンラインで研修や業務をする以上、通信環境の整備は何よりも欠かせません。オンラインミーティングツールでは、使用するユーザー数が多いときに通信が途切れてしまうなどのエラーが生じやすくなります。通信環境が悪く、研修中や業務中に何度も通信が止まったり遅延していては仕事にならないでしょう。

オンラインミーティングの需要の高まりから、各社でもサーバーを増設するなどしてこのようなエラーは減りつつあります。主催者側としては、エラーが起きにくいツールを選択したりユーザーが特に集中する時間帯を避けたりするなどの工夫を心がけましょう。

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ツールの使い方をレクチャーする

テレワーク下では、何かしらツールを使って教育を受けたり、業務を進めていきます。そのため、ツールを使いこなせなければ、業務効率が落ちたり、思わぬミスに繋がることでしょう。仕事で使うツールを満足に使いこなすためにも、オンボーディングでツールの使い方を十分にレクチャーしてください。

研修を用意するだけでなく、使い方がわからない時に気軽に相談できる窓口を用意しておくのも重要です。

上司や先輩社員とのコミュニケーションの機会をつくる

仕事以外で上司や先輩社員とコミュニケーションの機会を作るのも、教育効果を高めるために重要です。普段から信頼関係が築けていれば、それだけ気軽に仕事の相談や質問もできるもの。仕事で分からないことや悩み事があったときに、すぐに先輩に相談できる環境があれば、それだけ早く成長できるでしょう。

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明確な役割・目標の設定

テレワークでは、意識的に新人の役割や目標を明確に設定しましょう。

オンライン研修では、参加者の理解度や業務への不安に対するサポートをしにくくなってしまいます。研修における参加者の役割や目標を明確にすることは、研修の成果を確実なものにするためだけでなく、モチベーションの保持にも役立ちます。研修を課す際には、学習タスクや成果の報告を義務づけるなどの工夫を加えることで、新人のやるべきことをはっきりとさせることが大切です。

講師側から役割や目標をあとからでも振り返れる形で伝え、学習タスクの進捗や成果の報告を課すとよいでしょう。担当者も進捗状況を把握しやすくなるため、計画性を持った研修を進められるようになります。

フィードバックを重視

与えた課題に対する進捗の確認とフィードバックも重要です。テレワーク中は上司や先輩が新人と共に行動をしてサポートや助言をすることが難しくなります。そのためテレワークでの教育は、新人が自ら考えて動く姿勢を養うことが求められます。

上司や先輩からの評価やアドバイスを頻繁に受けることで、新人は自分の仕事の進め方を自ら見直し、考えて修正していくことができます。課題を与えたままでフィードバックを行わないことは、モチベーションの低下をうながします。自分を見てくれているという安心感を失うことにもつながるため注意しましょう。

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録画・録音機能の活用

テレワークでの教育では、オンラインならではのメリットを指導に活かすこともできます。そのメリットとは、Web会議ツールを使って行った新人とのミーティングやトレーニングの内容を、録画・録音して、一緒に振り返られること。トレーニング内容の復習や、課題の進捗状況の記録をすることもできます。

上司も録画した動画を見直すことで、トレーニングや声のかけ方が適切であったかを振り返り、次の指導に活かせるでしょう。研修の取り組みの効果を測り、フルリモート時代の教育ノウハウを蓄積していくためにも、録画機能の活用は有効です。

テレワーク下で求められる研修内容

テレワーク下でどのような研修内容が求められるのか紹介します。

主体性や自律性を高める研修

テレワーク下では、社員の主体性や自律性が強く求められます。

同じ職場に机を並べて勤務する場合は、上司や先輩が細かくフォローしたり相談に乗ることもできました。しかし、テレワークでは働いている状況がみえにくく、問題点を早期に発見できないこともあります。そのため、自ら企画して主体的にアクションを起こしていく人材を育てる必要があるのです。

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コミュニケーションの取り方を学ぶ研修

顔を合わせることが難しいテレワーク下においては、コミュニケーションが希薄になりがちなので、職場においてどのようにコミュニケーションをとるべきかの研修を取り入れるのもいいでしょう。外部セミナーに参加するのもおすすめです。

社員同士でコミュニケーションプログラムに参加すると、絆が深まり日々のコミュニケーションも円滑になります。ワークを通してお互いの意外な一面を発見したり同僚との関係づくりを学んだりできるでしょう。

また、中堅社員やリーダー層には一歩踏み込んだチームビルディングなどの研修が効果的です。テレワーク環境では、コミュニケーション不足によってチームの連携が不足してしまうことがあるでしょう。効率的な情報共有やチームの関係性の向上などを目的にしたリーダー向けのコミュニケーション研修を導入すれば、社内のテレワークをより円滑にするなどの効果が期待できます。

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タイムマネジメントに関する研修

テレワークにあった仕事の進め方やタイムマネジメントの研修も効果的です。テレワークでは自ら自分の仕事をスケジューリングし、期限までにタスクを終わらせなければなりません。

オフィスで働いている時は上司や先輩がケアできたことができなくなるため、新人でも自らタイムマネジメントできるよう、業務を始める前にできるようにしましょう。

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社員教育を効率化するツール

社員教育を効果的に行うためのツールについても見ていきましょう。

オンラインコミュニケーションツール

オンライン研修の実施や、テレワーク中のコミュニケーション機会の確保には、オンラインでやりとり可能なコミュニケーションツールの導入が必要不可欠です。

新人教育に活用する場合は、お互いの表情を見ながらコミュニケーションをとれるWeb会議システムや、動画マニュアルを配信できる動画配信サービスなどのITツールなどを導入しましょう。企業によっては、仮想空間でのVR教材を新人教育に活用するケースもあります。

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社内ナレッジを蓄積できるナレッジ共有ツール

ナレッジ共有システムとは、業務に役立つ知識やノウハウを一箇所に集約し、社内で共有できるサービスのこと。たとえば、業務に関するよくある質問(FAQ)をまとめたFAQ管理システムなどが挙げられます。

ナレッジ共有システムを導入すれば、新入社員が業務でわからないことを自分で調べて解決できるため、新人教育をスピードアップできるでしょう。コミュニケーションツールとナレッジ共有システムの2つのITツールを組み合わせることが、テレワークにおける新人教育のポイントです。

社員教育の「場」としてのバーチャルオフィス

社員教育を取り巻く環境は昨今、テレワークやそれに伴うコミュニケーション機会の減少により、ますます困難になってきています。特に、テレワークやハイブリッドワーク環境で上司と部下、あるいはチーム内のコミュニケーションを円滑にするためには、リアルなオフィスだけでなく新たな場を用意することが必要な場合もあります。

oViceが提供するバーチャルオフィスでは、アバターを使ってオフィス内を自由に移動できるため、まるでオフィスにいるようなリアルなコミュニケーションが実現可能です。社員教育にお悩みの際には、ぜひ一度導入を検討してみてください。

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SuzukiKohei
フリーのビジネスライターとして、ビジネスメディアでの執筆やベンチャー企業の採用広報を担当。起業家や投資家のほか、ベンチャー企業とのオープンイノベーションに積極的な大企業への取材を行う。