ここ3年、コロナの影響により驚異的なスピードでリモートワーク・テレワークが普及したが、「10年後にどのような場所で働きたいか?」という質問に対して、「オフィスはなく、各自自由な場所で働く」と答えた労働者は約1割にとどまったという調査結果がある。
「自宅だと業務に集中できない」「設備や什器、備品が不足していて業務効率が悪い」「コミュニケーションに課題がある」とリモートワークならではの課題を感じている人が多いようだ。
<参照>働き方の変化と2030年のワークスタイル予測|KOKUYO MANA-Biz
目次
ハイブリッドワークとは? 新しい働き方が求められる背景、そして“スケジュール”への課題感
その一方で、半強制的にリモートワークを経験したワーカーたちは、その恩恵を多く見つけた。世界的な人材紹介会社ロバート・ハーフが今年3月に発表した調査結果によると、アメリカの労働者の5割が、フルタイムでのオフィス勤務を強制されるくらいなら辞職した方がいいと考えているという。通勤が無い・家族との時間が増えるなどwell-beingなワーキングスタイルを得られるリモートワークは一時的なものではなく、人生そのものを向上させるシステムのように思える。
このような理由があるので、企業はオフィス勤務とリモートワークの良いとこ取りができるハイブリッドワークシステムを導入したり、oviceなどのバーチャルオフィスを使用することによりリモートワークのコミュニケーションの課題をクリアにしていったりという工夫が必要だ。
そんな中、ハイブリッドワークならではの問題・疑問も生まれている。その中の一つが「ハイブッドワークのスケジュールはどう作成したら良いのか?(どのような頻度で出社をするべきか?)」だ。
ハイブリッドワークとは、オフィス勤務とリモートワーク両方を取り入れたワークスタイルだ。企業・チームのサイズやプロダクト、企業文化によってスケジュールは異なる。
例えばAppleとAirbnbは両社ともにハイブリッドワークを導入しているが、Appleは少なくとも週に一度は出社しなければならない義務があり、Airbnbは完全に自由(もちろん出社することも可能)。このようにハイブリッドワークの中でも企業によって異なるルールが混在している。
<参照>【ワークライフ】 出社再開を指示されたらどうする? 出社するくらいなら辞めてやる?|BBC News JAPAN
ハイブリッドワークのタイプ別Pros & Consリスト
ここからは、5タイプに分けられたハイブリッドワークそれぞれのPros&Cons(長所&短所)リストを 紹介する。
オフィスファースト
ハイブリッドワークへのアプローチ:チームリーダーはオフィスへの出席を促進するが、緊急時などの事情に合わせてチームがリモートで作業できるようにしている。
このモデルを取り入れている企業:直接チームメンバーと会ってコミュニケーションを取る必要があるチーム。オフィス文化が強い企業。またはリモートのみの作業の経験がほとんどない企業。
長所
- オフィススペースをフル活用できる
- 社内の人間関係が築きやすい
- パンデミック前の作業環境と比較しても、ほぼ変わりなく混乱も少ない
短所
- 雇用を特定の地域に限定する必要がある
- パンデミック時にリモートで働いていた一部の社員は不満を感じるかもしれない
- 運用コスト削減の余地が限られている
リモートファースト
ハイブリッドワークへのアプローチ:すべての作業はリモートワークを念頭に置いてデザインされている。企業がオフィススペースを提供する場合もあるが、出席は任意。
このモデルを取り入れている企業:グローバルなチーム、計画的にリモートファーストを取り入れている企業、パンデミック中にビジネスモデルが生まれた企業。
長所
- 地理上の制限がなく、グローバルなチームにとって理想的なハイブリッドワーク環境
- 従業員にとってこのモデルの融通性や柔軟性、自主性はとても魅力的である
- 事務費用を削減できる
短所
- 出社に関しての統一されたアプローチがないため、オフィスのキャパシティを見積もることが難しい
- 起こりうるトラブルなどが予測しにくい
- チームメンバー間で個人的がなく信頼関係構築が難しいため、リーダーはエンゲージメント向上・保持の問題に向き合わないといけない可能性がある
まだらテレワーク(会社に決定権がある)
ハイブリッドワークへのアプローチ:マネジメントチームが週◯日出社あるいは在宅ワークするなどを決める
このモデルを取り入れている企業:明確な組織構造を持ちたい企業
長所
- 起こりうるトラブルが予測でき、オフィスメンテナンスを最適化することができる
- チームメンバーが同じ日にオフィスにいるよう設定できるため、簡単にコミュニケーションを取ることができる
- 簡単に運営・構築することができる
短所
- 柔軟性がない
- パンデミック時にリモートで働いていた一部の社員は不満を感じるかもしれない
- オフィススペースを縮小できない(チーム全体が決まった日に作業するため、インフラストラクチャをフル稼働で維持する必要がある)
まだらテレワーク(従業員に決定権がある)
ハイブリッドワークへのアプローチ:マネージメント側が設定した範囲内で、従業員が個人でいつ出社するかなどを決めることができる(たとえばオフィスワーク3日間、リモートワーク2日間など)。
このモデルを取り入れている企業:このモデルは、多くの業界・あらゆる規模の企業で採用されている、最も人気のあるハイブリッドワークだ。
長所
- 高度な自律性
- 緊急事態に対応
- 完全な対面と完全なリモートワークモデルのバランスをとる
短所
- 全員の勤務日を追跡するのは難しい
- チームメイトはお互いにつながるのに苦労するかもしれない
- 地理的な柔軟性が限られている (チームは依然として物理的な場所に縛られている)
バーチャルオフィススペース:柔軟な時間とロケーション
ハイブリッド作業へのアプローチ:固定の労働時間を設定せず、従業員が最も快適に作業できるように固定された場所=オフィスを持っていない。 チームリーダーはチームのコネクションを維持し、従業員の定着率を高めるため、仮想オフィスを採用している。このプラットフォームは、ブレーンストーミング、知識共有、チームビルディング、ネットワーキングをシームレスに展開できるようサポートするプラットフォームである。
このモデルを取り入れている企業:oviceでは、2,200を超える組織にバーチャルオフィスの概念を紹介した。 パナソニック、ヤマハ、トヨタなどのグローバル企業だけでなく、世界中のSMBにも採用されている。
長所
- 完全な柔軟性と融通性により、従業員の満足度と定着率が向上する
- 事務費を削減あるいは排除できる
- 雇用範囲がより広くなる
短所
- 新しいツールを導入する必要がある
- バーチャルオフィスプラットフォームの操作法などを学び、慣れる必要がある(サービス提供者によって異なる)
- 対面でのやり取りをバーチャルオフィスに完全に置き換えることはできない
ハイブリッドワークスケジュール作成ガイド
ハイブリッドワークに万能のアプローチはなく、会社・チームのニーズを満たすアプローチを選択する責任はチームリーダーにある。
oviceはサービス開始以来、世界中の何千もの”ハイブリッドワークスタイルの移行”をサポートし、チームリーダーやチームと対話することで、たくさんの管理スタイルに触れ、何がより効果的であるかを確認してきた。
ベストなハイブリッドワークスケジュール作成ガイドを紹介する。
①チームとして決断を下す
どのハイブリッドワークタイプを導入する場合も、その決定にチーム全体が関与していれば、移行はよりシームレスになる。 フィードバック収集に使用できるツールは次のとおりだ。
- アンケートフォーム
- 世論調査と調査
- 内部での討論
- 電話会議
- 1対1のミーティング
- 専用のSlackチャネル
積極的に発言しやすくするには、投票を匿名かつ明白にし、主要なオプションに賛成して投票した人の数を全員が確認できるようにする。
②改善の余地があること知る
企業や組織はもはや厳しい管理者ではなく、柔軟で活動的な存在だ。チームを過度に制約していないことを確認するために、マネージャーは常に自問する必要がある。
- そのスケジュールはチームの生活に配慮しているか
- ハイブリッド作業ポリシーは、情勢変化(ガス価格、不動産市場の変動、パンデミックなどの世界的な緊急事態)にどの程度適応しているか
- ワーキングスタイルを変えるにはどれくらいの費用がかかるか
- 変更を迅速かつタイトなスケジュールで実施することは可能か
- 組織内すべての役割によって、ハイブリッド作業スケジュールに違いがあるか
③成功している企業の見解を参考にする
ワークスタイルの移行は簡単なことではないが、チームリーダーはこの旅に一人ではないことを覚えておく必要がある。
たくさんの業界のリーダー達がハイブリッド作業を理解して取り入れるため、懸命に取り組んでいる。自信を持ってワーキングスタイルに関しての意思決定をし、ブラッシュアップできるよう、参考資料を紹介する。
- Airbnb CEOブライアン・チェスキー、ハイブリッドワークの未来について:Airbnb CEO Brian Chesky on What Companies Are Getting Wrong About Hybrid Work|Inc.
- Apple CEOのTimCook、会社のRTOポリシーについて:Apple CEO says remote work is the ‘mother of all experiments’ ― and the eventual solution may not look anything like what we have now|INSIDER
- LinkedInチーム、未来の職場についての見解を共有:A Sneak Peek at LinkedIn’s New Hybrid-Workplace Plans|LinkedIn Talent Blog
- 経営陣によるハイブリッドワークの未来についての洞察:What executives are saying about the future of hybrid work|McKinsey&Company
④適切なテクノロジーを駆使してハイブリッドワークスケジュールをサポート
ワーキングスタイルの変更をサポートする適切なテクノロジーがあれば、ハイブリッドワークならではの問題を解決させることやスケジュール設計も簡単になる。
- リモートチームとハイブリッドチームを統合し、オンラインチーム間の切断を克服するバーチャルオフィスプラットフォーム
- スケジュールと勤務時間を把握または管理するのに役立つ作業管理ツール
- チームメイトが自分の意見を発言しやすくするフィードバック収集プラットフォーム
- シームレスで日常的な共同作業のためのコミュニケーションツール
ベストなスケジュールを作成することは、ハイブリットワークを成功させるために必要不可欠。さまざまな問題が発生することを想定して、リーダーはチームのニーズに基づき、柔軟性と構造を組み合わせた決定を下すことが大切だ。
テクノロジーはハイブリッドワークを成立させる上で優れたアシスタントであり、oviceチームもバーチャルオフィスであるoviceを使用して、世界中のオフィスワーカーとリモートワーカーを繋いでいる。
コラボレーション、積極的で自発的なディスカッション、クライアントミーティング、チームの人間関係構築を可能にし促進するoviceをぜひ試してみてほしい。
ハイブリッドワークが企業や従業員にもたらす効果や、ハイブリッドワークを開始するために必要な準備について、この資料一つで分かります。