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Slack,Zoom,ovice…コミュニケーションツール、どう使い分ける? 3つの事例を紹介

バーチャルオフィスの導入により、業務進行や社内のコミュニケーションをスムーズにしたいと考えながらも「同じような機能に思える」「ツールの使い分けが難しそう」と二の足を踏んでいるケースに、心当たりはないでしょうか。

実際には、バーチャルオフィスをコミュニケーションのプラットフォームとして導入することで、それまでにはなかったコミュニケーションや体験が生まれ、業務進行がスムーズになったり文化醸成に成功したという感想も聞かれています。

この記事では、コミュニケーションの目的に応じたツールの使い分けについて解説します。事例も紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

コミュニケーションツールの活用は、日常になった

リモートワークが普及したことにより、コミュニケーションツールは仕事をする上で欠かせない存在になりました。十数年前なら電話とメールがあれば十分でしたが、その後チャットツールをはじめオンライン会議ツールやバーチャルオフィスツールなど多様なツールが誕生しています。

それだけ多くのコミュニケーションツールが生まれている理由には、コミュニケーション一つで、私たちのパフォーマンスが大きく変わることがあります。メールからチャットツールにシフトしただけで、売上の拡大につながったケースもあります。

ただし、チャットツールがいつでもメールより優れているわけではありませんし、オンライン会議ツールが必ずしも電話より優れているわけではありません。これだけ新しいコミュニケーションツールが生まれても、メールや電話を使うことで業務がスムーズに進むことを実感している人もいるのではないでしょうか。

「相手はお客さんか社内か」「緊急なのか、そうではないのか」など、コミュニケーションのシーンによって最適なツールは変わってきます。よって、一つのツールで全ての目的をカバーするよりも、複数使うことでより業務進行がスムーズになるのです。

目的に応じたコミュニケーションツールの使い分け

コミュニケーションツールには使い分けが大事だと先述しましたが、具体的にどのようなツールが存在し、どのような役割を果たしているのでしょうか。

コミュニケーションが同期・非同期のどちらで行うことが望ましいシーンなのか、また「一方通行で計画的であること」「双方向で偶発的であること」のどちらに主眼をおいた活動なのかという軸を用いて、特長や使い道について以下のように整理しました。

 

①Web会議ツール

Web会議ツールは、ZoomやMeetなど、カメラをオンにすれば顔を見ながら話すことができ、画面共有やチャット、絵文字でのリアクションが可能なツールです。相手の顔を見ながら話せるため、その場の雰囲気の共有や、リアルに近い会話が可能です。バーチャルオフィスの中には、同様の機能(カメラオンにしての複数人の会話機能)を持つものもあります。

Web会議ツールでは、一対多数のコミュニケーションになりがちで、参加者が思いつきで意見を述べることのハードルが高いといった状況も起こります。また会議が終わるとミーティングが終了し、その場の延長で会話をするということがあまり起こりません。また、種類によっては、複数人の会話の場合、同時に発話すると聞き取れないこともあります。

出社が主であった時代の、研修やセミナーといった体験に該当します。

②バーチャルオフィス

バーチャルオフィスとは、バーチャル空間でアバターを操作しながらコミュニケーションできるツールです。ビジネスメタバースのoviceなどがこの分類に入ります。

他のアバターに近づくだけで会話ができるため、コミュニケーションのためのスケジュールを設定する必要も、会議のためのURLを渡したりする必要もありません。そのため、気軽に相談や報告のためのコミュニケーションを始められます。

Web会議ツールと異なり、その場で移動するだけでグループに分かれたり、少し離れた場所で待っていてもらったりすることも可能なので、面接や交流会にも向いています。誰と誰が話しているのかを遠くから確認できるので、人物相関図の理解にも役立ちます。

出社が主であった時代の、対面会議や面接、雑談、飲み会といったコミュニケーションに該当します。

③チャットツール

チャットツールとは、SlackやChatworkなど、テキストベースでコミュニケーションできるツールのことです。アイデアや連絡・通知様々な会話・フロー情報に適しています。メッセージを送ったタイミングですぐに反応してもらわなくても構わないが、比較的即時性の高い話題や、文字として記録を残したい時に使います。

スタンプなどを利用することで、メールに比べてフランクにコミュニケーションができます。ただし、情報がどんどんと更新され、過去の情報が流れていって目につきにくくなるという特長があります。

出社が主であった時代の、メールや社内SNSといった場でのコミュニケーションに該当します。

④ナレッジツール

ナレッジツールは、情報を社内外の人に効率的に共有するためのツールのことです。NotionやAsanaなどが含まれます。

たとえばAsanaであれば、タスクを整理するだけでなく、タスクに紐づいた会話やファイル、リンクなどの情報を集約・共有できます。同期的なコミュニケーションや、偶発的なやりとりには向きませんが、いつでもメンバーの見たいタイミングで確認できる便利さがあります。

たとえば、事業方針や設計書・仕様書、業務マニュアル、社内用語集、研修資料、議事録、日報など、様々なナレッジが蓄積できます。

出社が主であった時代の、手紙や社内報といったコミュニケーションに該当します。

Web会議ツールでは不便なこともある「細かな確認」のステップ、oviceが解消

2020年以降、Web会議ツールとチャットツールを導入し、リモートワークでの会議やコミュニケーションを円滑に進めたという会社は多かったのではないでしょうか。今や仕事にオンライン会議は欠かせません。またテキストコミュニケーションにおいては、メールよりチャットツールの方が優れていと感じることもあるかもしれません。

こうした環境のなかで、バーチャルオフィスがどのような点で上記と異なる価値を持つのか、と疑問に感じることは当然です。バーチャル空間に出社しコミュニケーションが可能になるバーチャルオフィスですが、動画や音声でコミュニケーションをとるならWeb会議ツールで十分だと思えるかもしれません。

しかし、Web会議ツールが用いられるシーンというのは、先の図で整理したような、同期的で計画的なコミュニケーションです。一分もしくは数十秒で終わるような確認や相談、あるいは突発的に必要と判断したコミュニケーションについて、むしろその場を用意するための工数を負担に感じる…そんな経験に心当たりはないでしょうか。

その結果、何か話したいことがあっても「わざわざWeb会議ツールを使うほどじゃないから、次のミーティングの時でいいか」と後回しになってしまうことも。

しかし、確認を後回しにすることで進行が遅れてしまうことは、個人そして組織の生産性を下げてしまいます。また、アウトプットに関係する細かな調整を先延ばしにしてしまうことは、手直しの工数を増やしてしまうリスクをはらんでいます。

ちょっとした相談や確認ができることは、仕事の進行スピードを速めるだけでなく、仕事のミスを減らせます。それだけでなく、時には思いがけない意見をもらって視点の転換がもたらされることも期待できます。結果として、新たなアイディアが生まれることもあるでしょう。

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各社のバーチャルオフィスとその他ツール使い分け事例

実際にバーチャルオフィスのoviceを導入している企業でのツール使い分けはどのようになっているのでしょうか。3つの事例を紹介します。

事例①勤務状況の見える化・会話やディスカッション(デンソーソリューション)

oviceのほかにもTeamsやZoomも使っているデンソーソリューションでは、目的別にどのツールを使えばよいのかを表の形で整理しています。

同社でoviceを使う意味は「メンバーの勤務状況の見える化」「遠隔地にいるメンバーとのコミュニケーション醸成(報連相、確認、雑談等)」です。

具体的には「会話(雑談)」「ディスカッション」「相手の可視化」を目的とする場合にはバーチャルオフィスのoviceが最も推奨されるとしています。一方でチャットならばTeams、「資料保存・編集」ならばOneNoteやSPO(SharePoint Online)ということが表を見ればわかるようになっています。

参照:
デンソーソリューション様 ovice活用事例

事例②自部署のみの会議、簡易的な会話や相談、発的な会議・相談(テプコシステムズ)

デンソーソリューション同様、テプコシステムズではWeb会議ツールやチャットツールを利用している中で、バーチャルオフィスのoviceも導入しました。同社の場合はコミュニケーション相手に合わせて、Web会議ツールでも複数のツールを利用しています。

自部署のみのオンライン会議、簡易的な会議や相談、プロジェクト内の連絡・管理、突発的な会議・相談にはoviceが最も推奨されています。

新入社員や中途入社のメンバーの目線に立てば、今話しかけて大丈夫かどうかが見極められるバーチャルオフィスはコミュニケーション不足を解消するために必要なものです。同社の導入・運用担当者は、ツールの普及や定着には「なぜ使うのか」という背景を知ってもらうことが重要だと考えていると語ります。

参照:
テプコシステムズ様 ovice活用事例

事例③ルール「話しかけたら反応するもの」で、在席確認と“いい意味での緊張感”が実現(エヌリンクス)

リモートワークと出社のハイブリッドスタイルで勤務制度を設けるエヌリンクス社では、ovice導入時に「ツールが多すぎてどれを使えばいいかわからない」という意見も出たそうですが、シンプルに「会話はovice、テキストはTeams」という使い分けをしています。

「話しかけたら反応する」というルールも設けており、在席確認にもなり、いい意味での緊張感を持てているそうです。

▲ovice導入後のアンケート

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事業成長に多様な働き方と人材が必要。ならば、オンラインの環境整備が肝

リモートで勤務できることは、優秀な働き手に選ばれるための重要な条件となっています。今後は、コロナ禍以前のように「出社できる人」だけを採用していても、事業を成長させるのは難しいでしょう。

オンラインでもきちんと仕事を進められる環境は、生産性の向上や従業員のエンゲージメントにも関係するので、オンラインの環境整備は企業にとって引き続き重大なトピックです。バーチャルオフィスはチャットツールやWeb会議ツールだけではカバーしきれないやりとりを実現できます。事業推進においてもエンゲージメントの向上においても、代わりの効かない役割を果たしてくれるでしょう。

oviceの特徴や機能について詳しく見る


バーチャルオフィスは実際にどのように役立つのか?働き方や組織に関する課題を解決した企業の、ovice導入のきっかけや考えを紹介。

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SuzukiKohei
フリーのビジネスライターとして、ビジネスメディアでの執筆やベンチャー企業の採用広報を担当。起業家や投資家のほか、ベンチャー企業とのオープンイノベーションに積極的な大企業への取材を行う。