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ハイブリッドワークでリーダーが持つべき価値観とは?

テレワークと出社勤務の両方を組み合わせた「ハイブリッドワーク」は、一時的な感染対策としてではなく、作業効率を高めながらも働く人により寄り添った「well-being(ウェルビーイング)」な経営スタイルが求められる。

そしてリーダーたちも、今まで持っていた働き方の価値観を、ハイブリッドワークに適した新しいものへとアップデートする必要がある。

今回の記事では、ハイブリッドワークでリーダーたちが持つべき価値観を紹介する。ぜひ参考にしてみてほしい。

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<働く時間>いつ働いても良い VS 一日中働く

ハイブリッドワークにより働く時間や場所の自由度が上がった分、部下やチームがいつでも作業可能だと期待してしまっている人も多い。労働時間後でも、ちょっとした連絡をすぐに返してくれる社員を「理想的だ」と好評価しがちだが、プライベートとのバランスを大切にする今の時代の価値観から少し離れてしまっているのではないか。

特に、家族のいる働く女性へのとても負担が大きく、この理想像がよくないのではないかという声も上がっている。

<参照>Harvard Business Review|The Pandemic Has Exposed the Fallacy of the “Ideal Worker”

何かあったときに対応できるように、いつでも備えておいてほしいという願望を社員に抱くことは危険だ。今問題になっている、「テレワークバーンアウト(燃え尽き症候群)」に社員を導いてしまう可能性がある。

テレワークによって起こる「バーンアウト(燃え尽き症候群)」を防ぐには?

しかし、いつ働いても良いという自由さだけを提供するというのもチームで仕事をする上では非現実的だ。まず最初にやることは、どの時間帯に働くことを希望しているのか。そして、オフラインでありたい時間帯(プライベートの時間)を部下・チームメンバーに聞くことだ。チームがコアに働きたい時間を共有・把握しておくことは、生産性を高め、会社への貢献意欲やwelll-beingを守るためにも有効だというエビデンスがある。

<参照>American Sociological Review|Changing Workplaces to Reduce Work-Family Conflict: Schedule Control in a White-Collar Organization

<社員のメンタル>孤独感がある VS 侵害されていると感じる

テレワークによってプライベートの時間が増え、効率性が高まったという声がある一方、オフィスでの同僚とのコミュニケーションは本当に貴重だったという声もある。一人作業をすることが増え、孤独感を感じやすいのと同時に、プライベート空間だった家が仕事場になってしまった結果、プライベートが侵害されていると感じている人も多い。

このテレワークによって生まれた孤独感は、今までオフィスであれば自然にできていたちょっとしたコミュニケーションを意図的に作り出す必要がある。気楽に話せる内容且つ「好きな映画について」などの個人的な話題を繰り広げることによって、社会的繋がりを再形成し、孤独によって引き起こされる疲労感を軽減させることができる。

そして、プライベートが侵害されていると感じるのを防ぐためには、社員がプライバシーを維持しても良いという選択の自由を提供しよう。例えば、Zoom会議をビデオオフにしても良いという選択の自由。出席者がビデオオフの場合、彼らの反応がイマイチわかりにくいので、プレゼンターにとってはあまり好ましくないかもしれない。しかし、Zoom会議の疲労を軽減する効果がある。

ZoomのCEOでさえもZoom会議での疲労感を訴えているのだから、オンライン会議が今後も長期的に行われるのであれば、今から疲労対策をしておくことをお勧めする。

<参照>The Wall Street Journal|Even the CEO of Zoom Says He Has Zoom Fatigue Harvard Business Review|3 Tensions Leaders Need to Manage in the Hybrid Workplace

皆が重要なアジェンダだと認識しており、積極的な意見のやりとりが必要とされる会議の場合は、音声のみのやりとりを採用し、発言力の平等性を保つのもお勧めだ。音声のみのやりとりの方が疲労感が少ないという研究結果も出ている。

<参照>The Wall Street Journal|ビデオ会議はもうやめよう 音声通話がいい理由

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<マネージメント>タスクを指示する VS 任せる

ハイブリッドワークでは、リーダーのマネジメント能力がより重要になる。遠隔で信頼関係を強めながら作業を進めていくことは簡単なことではないが、よりメンバーを信頼し、「任せる」ことが重要だ。

まずリーダーは達成したいプロジェクトのゴールと、マイルストーン(細かいステップ)の概要を明確にしたレポートを作成し、そこに到達する方法を理解させる必要がある。その後、チームに仕事を任せよう。最初は任せるという作業に慣れず、不快に感じるかもしれないが、彼らがプロセスを自由に選べるようにすることで、彼らの成長速度を高めることができる。

また、Googleの調査によると、信頼関係を築いているチームは、信頼関係が低いチームよりも生産性が40%高かった。テレワークで信頼関係をどう構築したら良いかは、自身のコミュニケーション能力を高めることがキーになるが、Googleが紹介している3Tipsはどんな性格の人でも取り入れやすいメソッドなのでお勧めだ。

<参照>re:Work|How Google thinks about team effectiveness

ハイブリッドワーク自体がまだ新しく、「こうあるべきだ」という価値観も少ない。そのために、悩ましい場面にたくさん出会うかもしれない。しかし、だからこそ私たちにとって最善な働き方を見つけられるのではないだろうか。


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YUI SASANO
フリーランス歴10年目、現在25歳の作詞作曲家/SNSマーケター。アーティストや文化人、企業のSNSプロデュースの他、コラムニストとしても活動している。